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56の民族

　中国は56の民族からなる統一的多民族国家である。1990年の第4回国勢調査によると、漢民族の人口が全国総人口の91.96%を占め、その他55の民族は8.04%を占めている。漢民族の人口がとくに多いため、習慣として他の55の民族は少数民族と呼ばれている。

　漢民族は全国各地に分布しているが、主として黄河、長江、珠江の三大河川の中・下流地域と東北地方の平原に居住している。55の少数民族は人口が少ないとはいえ、分布地域はかなり広く(表３を参照)、全国総面積の約64.3%を占めている。主として東北地区、華北地区および西北地区と西南地区の国境地帯に分布している。雲南省は20の少数民族があり、中国で民族の構成が一番多い省である。全国のほとんどの県・市ではいずれも2つ以上の民族が居住している。長期にわたる歴史的推移の中で各民族は「大雑居、小聚居」（大きな範囲では入り混って居住しているが、小さな範囲では固まって居住している）という状況を呈している。それは漢民族と各少数民族の間の政治、経済、文化の面における広い範囲の交流、および民族区域自治制度の実施のための客観的条件を提供することになっている。

【表３】　中国の少数民族の人口と居住地域

　　　　(1990年７月１日第４回国勢調査による)