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観光機構とサービス

 中国観光事業の管理部門は国家観光局であり、同局は全国観光事業を統一的に管理する国務院所属の行政管理機構であり、その職能は観光事業を発展させる方針、政策、制度を制定し、観光業の長期計画と年度計画を作成し、渉外PRを行い、観光情報を公表し、また政策、計画の実行状況などを監督、点検する。国家観光局は各省・自治区・直轄市に支局を置き、東京、ニューヨーク、パリ、ロンドン、フランクフルトおよび香港に事務所を置いている。

 中国各地の旅行社が内外観光客を受け入れている。そのうち、海外観光客を受け入れる旅行社は主として次の3社ある。

 ●中国国際旅行社 外国観光客を受け入れる。本社は北京にあり、各省・自治区・直轄市と一部の開放都市に分社または支社がある。

 ●中国旅行社と中国華僑旅行社 観光や親戚訪問のため来られた海外在住の華僑、香港・澳門・台湾同胞と中国系外国人を受け入れる。本社は北京にあり、開放都市と開放地区および華僑出身地に支社がある。香港、澳門およびタイなどにも事務所がおいてある。

 ●中国青年旅行社 主に外国の若者、海外の華僑と中国系外国人の若者、香港・澳門・台湾同胞の若者を受け入れる。本社は北京にある。

 このほか、中国国際スポーツ観光公司、中国文化旅行社、中国民間国際観光公司、中国白鳥国際観光公司、中国婦人旅行社などの旅行社がある。

 改革・開放以来、中国各地では、異なる消費層の観光客の必要を満たすため、高級、中等、低級のホテルが建設された。現在、全国に星クラスのホテルが3000軒以上ある。そのうち有名な5つ星ホテルは北京の王府飯店(ペニンシュラホテル)、中国大飯店(チャイナロッドホテル)、香格里拉飯店(シャングリラホテル)、上海の希爾頓(ヒルトンホテル)、花園飯店(ガーデンホテル)、新錦江大酒家(ニュー・ジンジャン・ホテル)、広州の白天鵝賓館(ホワイトスワンホテル)、中国大酒店(チャイナロッドホテル)、東方賓館(オリエントホテル)、大連の富麗華大酒店(フラマーホテル)、深せんの南海賓館などがある。各大中都市と景勝地には一般観光客向けのホテルと旅館があり、内外の多くの一般観光客を受け入れることができる。

 観光交通も非常に便利で、水陸空の立体交通が形成されている。中国民航は1115本の国際線と国内線を開通し、国内各都市間の中短距離の定期便を増やした。鉄道部門と長距離バス公司も専用列車とエアコン付きバスの観光線路を開通し、観光客にリラックスして楽しい車中生活を提供している。各ホテルと旅館では、観光客は必要に応じて各観光コースの乗車券、乗船券、航空券を予約することができる。

 中国の書画、土産品、貴重な漢方薬材、観光工芸品は、各国の観光客に喜ばれている。観光客の便宜をはかるため、景勝地には工芸品専売店が設けてある。

【表11】国際観光業の推移

  1978 年 1985年 1990年 1995 年 1999年
海外観光客
(万人)
180.9 1783.3 2,746.2 4,638.7 7,279.6
国際観光収入(億ドル)
2.6 12.5 22.2 87.2 141.0