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豊饒で美しい宝の島――台湾
台湾はわが国の南東海域にあり、東は太平洋に臨み、西は台湾海峡をはさんで福建省と向かい合い、南はバーシー海峡に面してフィリピン列島と隣接し、北は東中国海が広がっている。島の総面積は35989.76平方キロで、わが国の最大の島である。台湾本島と澎湖諸島、釣魚島、赤尾島、蘭島、火焼島及びその他の付属島嶼を合計した88の島からなり、中国の「島の省」である。台湾本島は南北方向に長く、東西方向は狭い。南北方向の最大距離は394キロに達し、東西方向の最大の幅は144キロで、紡錘のような形を呈している。
台湾海峡は長さは約300キロで、幅は200キロ足らずで、一番狭いところは福建省平潭島と台湾新竹市の間の130キロである。晴れた日に大陸の海辺に立てば、澎湖諸島から立ち昇る煙と台湾の高山を覆う雲霧がかすかに見える。台湾海峡は中国の南北間の海上交通の重要ルートで、著名な極東の海上回廊である。台湾海峡は廟島群島、舟山群島、海南島とともに海上の「万里の長城」を形成し、中国南東沿海の自然の障壁となっており、かねてから「南東のカギ」、「七省の障壁」といわれ、非常に重要な軍事的要所である。
世界の著名な観光地として台湾はいつも、「豊饒で美しい宝の島」という修飾語句を付けられる。台湾島の景観は「山が高く、木々が生い茂り、滝が多く、奇異の形の海岸が多い」などの特徴をもつ。
台湾は世界でまれに見る熱帯の「高山の島」で、西海岸の周辺が平野である以外、残りの全島の三分の二を占める面積はみな高い山である。台東山脈、中央山脈と玉山山脈は「台湾の屋根」といわれ、海抜は3,997メートルである。一番有名なのは阿里山で、麗しい台湾の景色の象徴とみなされている。
亜熱帯の海洋に位置する台湾は、気候が暖かく快適で、一年中が夏で冬がなく、さまざまな植物の生長に適しているので、島の大部分の土地は青々とした森林に覆われている。
台湾は山が高くそびえたち、崖が険しく、河が短く、水が豊富で、滝が極めて多い。滝のほかに島には温泉や硫黄成分を含んだ渓流があちこちにあり、非常に良い保養・治療効果があり、大勢の観光客を引き付けている。また関仔嶺温泉には「水火同源」という名所があり、さらに宜蘭蘇澳の「冷泉」は世界的に珍しいものである。
西部の平野の海岸は、水が清く、砂が白く、海水浴にもってこいの場所である。北部の海岸はまた別世界で、台風に削られ、波に浸蝕された海食地形が数々の自然の奇観をなしている。
台湾は「穀倉」と言われるほどの米の産地で、なかでも「蓬莱米」が一番有名である。
砂糖を豊富に産出し、「東方の砂糖の倉庫」と称されている。
お茶もたくさん生産され、その中で「凍頂」というウーロン茶は世界に名を馳せている。
台湾はたくさんの果物が取れるところで、バナナやパイナップル、みかん、レイシ、竜眼、ボケ、ザボン、ビワ、マンゴー、オリーブ、ビンロウジ、ヤシなどが年中出回っているので、古くから「果物の里」と称されている。
食塩の豊富な産地でもあり、「東南の塩の倉庫」とも言われている。
さらに「ランの花の王国」、「蝶々の王国」、「珊瑚(さんご)の王国」、「魚の倉」とか、枚挙にいとまがないぐらいの美称をもっている。 |
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