中米共同声明(要旨)
1997年10月29日

ウィリアム・J・クリントン・アメリカ合衆国大統領の招きに応え、江沢民中華人民共和国主席は1997年10月26日から11月3日までアメリカに対し公式訪問をおこなった。これは中国の国家主席による12年ぶりの対米公式訪問である。ワシン卜ンを訪問した期間に、江沢民主席とクリントン大統領は公式会談をおこなった。江沢民主席はまた、アルバート・ゴア副大統領、アメリカ国会の指導者およびアメリカのその他の指導者と会見した。銭其しん副総理兼外交部長とマドレーン・オルブライト国務長官も、会談をおこなった。

両国元首は、国際情勢、中米関係および両国が直面している重要なチャンスと挑戦について、突っ込んだ、成果に富む会談をおこなった。双方は、健全で安定した中米関係が中米両国人民の根本的利益に合致するばかりでなく、共同で責任を担って、21世紀の平和と繁栄の実現に努めることにとっても重要であるということに同意した。双方は次のことに同意した。中米の間に共通点もあれば、食い違いもある。双方には重要な共通の利益があり、具体的進展をとげるため、ともに協力と実直の精神にのっとり、チャンスをつかみ、挑戦に受けて立つ決意である。中米は、人権問題をめぐって大きな食い違いがある。同時に、中米両国は世界と地域の平和と安定を擁護し、グローバルな経済成長を促進する面において、大量破壊兵器の拡散を防止し、アジア太平洋地域の協力を推し進め、麻薬販売、組織的な国際犯罪、テロリズムを取り締まる問題の上で、また二国間の経済発展、貿易、法律、環境保全、エネルギー、科学技術、教育、文化の交流と協力および両国軍隊の往来などの面において、いずれも巨大な協力の潜在力が存在している。

両国元首は、中米両国が協力増進を通じて国際上の挑戦に対処し、世界の平和と発展を促進し、中米の建設的な戦略パートナーシップの確立にともに力を注ぐことを決定した。この目標を実現するため、双方は、長期的視点から出発し、中米の三つの共同コミュニケの原則的基礎を踏まえて、両国関係を処理することに同意した。
中国側は、台湾問題は中米関係における最も重要で、最も敏感な核心問題であり、中米の三つの共同コミュニケの原則を厳守し、台湾問題を適切に処理することが中米関係の健全で安定した発展のカギであると強調した。アメリカ側は、アメリカは一つの中国の政策を堅持し、中米の三つの共同コミュニケの原則を順守すると重ねて表明した。