重要言論 台湾同胞に告げる書
(1958年10月6日 この原稿は毛沢東同志が起草したものである)

台湾、澎湖、金門、馬祖の軍隊と民間の同胞の皆さん:
 われわれは、みな中国人である。三十六計和するに如かず。金門の戦闘の性質は、懲罰に属するものである。君たちの指導者は、これまでの長い期間、あまりにも狂気じみていた。飛行機を大陸に、やたらにとばし、それも雲南、貴州、四川、西康、青海の遠くにまで及び、宣伝ビラをまき、特務を降下させ、福州を爆撃し、江蘇と浙江を撹乱することを命じている。これを我慢できれば、我慢できないことがない。このため、君たちの注意を引くために、少しばかりの大砲を打った。台湾、澎湖、馬祖は中国の領土であることは、君たちも同意している、君たちの指導者の告示にそう書かれているし、確かに、アメリカ人の領土ではない。台湾、澎湖、金門、馬祖は中国の一部であり、もう一つの国ではない。世界で、中国は一つしかなく、二つの中国はない。この点について、君たちも同意しているし、君たちの指導者の告示にそう書かれている。君たちの指導者がアメリカ人との間に結んだ軍事協定は一面的であり、われわれは認めない、破棄すべきだ。アメリカ人は、いつかは君たちを見捨てるに違いない。君たちは信じないのか?歴史の巨人は出てきて、それを立証するであろう。ダレスの9月30日の談話に、すでにその一端が見えている。君たちの立場からみて、ぞっとせずにいられるだろうか!とどのつまり、アメリカ帝国主義は、われわれの共同の敵である。十三万の金門の軍隊と人民は、供給が欠乏し、飢えと寒さに迫られ、長く持ちこたえられないであろう。人道主義により、わたしはすでに福建省前線に、10月6日より、暫時、七日間を一区切りとして砲撃を停止するよう命令しており、君たちは、十分、自由に供給品を輸送することができるが、但し、アメリカ人の、護衛のないことを条件とする。もし、護衛がつけば、この限りではない。君たちとわれわれとの間の戦争は、三十年になるが、いまだに終わっていない、これは良くない。談判をすすめて、平和的解決することを提案したい。この点について、周恩来総理が数年前から、君たちに話してある。これは中国内部の君たちとわれわれ双方に関する問題であって、中米両国に関係する問題ではない。アメリカは台湾と台湾海峡を侵略・占領しており、これは中米双方に関係する問題であり、両国が談判で解決すべきで、現在、ワルシャワで行なわれている。アメリカ人は、いずれは立ち退かなければならない。立ち退くのはあたりまえだ。早く立ち退けば、アメリカにとって有利で、そうすれば主導的になれる。遅く立ち退くのは不利である。なぜならそれはいつも受け身になるからだ。東太平洋にいる国が、なぜ西太平洋にやってきたのか?西太平洋は西太平洋人の西太平洋であり、あたかも東太平洋が東太平洋人の東太平洋であるのと同じである。これは常識で、アメリカ人は知るべきである。中華人民共和国とアメリカとの間には、戦争をしていないから、停戦をうんぬんすることもない。戦火を交えていないのに、停戦を論ずるのは、笑い事ではないか?台湾の友人の皆さん、われわれの間には、戦火がある。これは停止すべきで、戦火をしずめなければならない。これには、談判を必要とする。もちろん、あと三十年戦っても、たいして大きな出来事ではないが、やはり早く平和的に解決するのが妥当であり、どちらを捨て、どちらを取るかは君たちでいいように計らって頂きたい。