中国の政権党

中国共産党は中国の唯一の政権党である。

中国共産党は1921年に成立し、1949年、武力闘争の方式で中華人民共和国を樹立した。

中国共産党は現在約6000万人の党員を擁し、340万の末端組織がある。

中国共産党は中国政府と社会の各階層および各分野に正式(すなわち、党内の選挙による方式で設置されたもの)あるいは非正式(すなわち上級の党組織によって任命されたもの)組織を設置している。

一、中国共産党の性格

中国共産党は中国の労働者階級の前衛部隊であり、中国の各民族人民の利益を忠実的に代表するものであり、中国の社会主義事業の指導の核心である。

党の最終的目標は共産主義の社会制度を実現することである。

中国共産党はマルクス・レーニン主義、毛沢東思想、ケ小平理論を自らの行動の指針としている。

中国共産党の社会主義の初級階段における基本的路線は、全中国の各民族人民を指導し、団結し、経済建設を中心とし、四つの基本原則を堅持し、改革・開放を堅持し、自力更生、刻苦奮闘をむねとして、わが国を富強、民主、文明の社会主義現代化国家に築き上げることである。

社会主義の道を堅持し、人民民主主義独裁を堅持し、中国共産党の指導を堅持し、マルクス・レーニン主義・毛沢東思想を堅持し、ブルジョア階級の自由化に反対する。

中国共産党は人民解放軍およびその他の人民武装力に対する指導を堅持する。

二、党の建設の四つの基本的要求

第一、党の基本路線を堅持する。
第二、思想の解放、実事求是を堅持する。
第三、誠心誠意人民に奉仕することを堅持する。
第四、民主集中制を堅持する。

三、民主集中制の政治と組織原則

(一)民主集中制の基本原則

1、党員個人は党の組織に服従し、少数は多数に服従し、下級組織は上級組織に服従し、全党の各組織とすべての党員は党の全国代表大会と中央委員会に服従する。

2、党の各クラス指導機関は、それが派出した代表機関および非党組織の中の党グループのほかは、すべて選挙によって生まれる。

3、党の最高指導機関は、党の全国代表大会とそれによって選出された中央委員会である。党の地方各クラス指導機関は、党の地方各クラス代表大会とそれによって選出された委員会である。党の各クラス委員会は同じクラスの代表大会に責任を持ち、活動を報告する。

4、党の上級組織はつねに下級組織と党員大衆の意見に耳を傾け、適時に彼らが提出した問題を解決する。党の下級組織は上級組織に指示を仰ぎ、活動を報告しなければならないとともに、独自に責任を持って自らの職権の範囲内の問題をも解決する。上級組織と下級組織はお互いに情報を通じ合い、お互いにサポートしあい、お互いに監督しあう。党の各クラス組織は党員に党内の事柄をより多く知るようにさせ、それに参与させる必要がある。

5、党の各クラス委員会は集団指導と個人による責任分担とを結びつける制度を実行する。重大な問題に対しては、党委員会が集団で討論し、決定を行う。委員会メンバーは集団の決定と分担によって、自らの職責を確実に履行する。
6、党はいかなる形の個人崇拝をも禁じている。党の指導者の活動は党と人民の監督のもとで行われることを保証しなければならず、党と人民の利益を代表するすべて指導者の威信を守るようにしなければならない。

(二)組織原則

1、党の各クラス代表大会の代表と委員会の選挙は無記名投票の方式で行われる。

いかなる組織と個人もいかなる方式で有権者にある人を選挙するか選挙しないかを強要してはならない。
党の地方各クラス代表大会と末端代表大会の選挙では、党規約に違反する情況が発生した場合、上級党委員会は調査、確認を行った後、選挙が無効であるとの決定、あるいは相応の措置をとる決定をおこない、審査・批准のため上級党委員会に報告し、正式にその執行を公布する。

2、党の中央と地方各クラス委員会は必要な時に代表会議を開き、適時に解決しなければならない重大な問題を討論し、決定をおこなう。代表会議の代表の定員と選出方法は、代表会議を招集する委員会が決める。

3、党の新しい組織を設立するかあるいは党の元の組織を廃止することは、すべて上級党組織が決めなければならない。 

4、党の中央と地方各クラス委員会は出先機関を設置することができる。

5、党の地方各クラス代表大会と末端代表大会の閉会期間中においては、上級党組織は必要な時に、下級党組織の責任者を異動させるかあるいは指名派遣することができる。

6、党の各クラス指導機関は下級組織とかかわりのある重要な問題に対し決定をおこなう際、通常の場合、下級組織の意見を徴する必要がある。下級組織によって処理される問題に対し、特殊な情況がなければ、上級指導機構は介入してはならない。

7、全国的重要な政策問題に対しては、党中央だけに決定をおこなう権限があり、各部門、各地方党組織は中央に提案を提出することはできるが、勝手に決定を行ったり、対外的にその主張を発表してはならない。

8、党の下級組織は必ず上級組織の決定を断固として執行しなければならない。

下級組織は上級組織の決定が同地区、同部門の実情に合わないと考えた場合、変更を求めることができる。もし上級組織が元の決定を堅持した場合、下級組織は必ず執行しなければならず、それに対して公然と異なった意見を発表してはならないが、さらに上の上級組織に報告する権利がある。

9、党の各クラス組織の新聞、雑誌などの刊行物とその他の宣伝手段は、党の路線、方針、政策及び決議を宣伝しなければならない。                                                                                   
10、党の組織が問題を検討し決定を行う際には、必ず少数が多数に服従する原則を実行しなければならない。重要な問題を決定する際には、表決を行わなければならない。少数のものの違った意見に対し、真剣に考慮すべきである。重要な問題について論争が発生し、双方の人数が近づいている場合、緊急情況の下で、多数のものの意見によって必ず実行しなければならないほか、暫時決定を下さないようにするべきである。特殊な情況の場合、論争の情況を上級の組織に報告し、裁決してもらうことができる。

11、党員個人が党組織を代表して重要な主張を発表する場合、党組織が決定した範囲を超えれば、所属する党組織の討論に届け出て決定を仰ぐか、あるいは上級の党組織の指示を請わなければならない。いかなる党員もその職務の高い、低いを問わず、個人で重大な問題を決定してはならない。緊急情況にあって、個人が決定しなければならない場合、事後にただちに党の組織に報告しなければならない。

四、党の組織機構

(一)党の中央指導機関

1、全国代表大会と中央委員会

党の中央指導機関は党の全国代表大会とそれによって生まれた中央委員会であり、中央委員会は党の全国代表大会に責任を負って、活動を報告する。

党の全国代表大会は5年ごとに一回開催され、中央委員会が召集する。中央委員会が必要があると考え、あるいは三分の一以上の省クラスの党組織が要求を提出した場合、全国代表大会は繰り上げて開催することができる。非常な情況のない場合、開催を延期してはいけない。

全国代表大会の代表の定員と選出の方法は中央委員会が決定する。

党の中央委員会は毎期5年の任期である。全国代表大会が繰り上げるか、あるいは開催が延期される場合、その任期は相応に変化する。

党の全国代表大会の職権は次の通り。

(1)中央委員会の報告を聴取し、審査する。
(2)中央規律審査委員会の報告を聴取し、審査する。
(3)党の重要な問題を検討し、決定する。
(4)党の規約を改正する。
(5)中央委員会を選出する。
(6)中央規律審査委員会を選出する。

全国代表大会の閉会期間に、中央委員会は全国代表大会の決議を執行し、党のすべての活動を指導し、対外的に中国共産党を代表する。

中央委員会委員と委員候補は5年以上の党歴がなければならない。
中央委員会委員と委員候補の定員は全国代表大会が決定する。
中央委員会委員が空席となった場合、中央委員会委員候補が得票数によって順番に補欠する。
中央委員会総会は中央政治局が召集し、毎年少なくとも一回開催する。

2、政治局、政治局常務委員会、総書記、中央軍事委員会と書記処

党の中央委員会の指導機構は党の中央政治局、中央政治局常務委員会と中央委員会総書記である。

党の中央政治局、中央政治局常務委員会と中央委員会総書記は中央委員会総会が選出する。
中央委員会総書記は中央政治局常務委員会委員によって選出される。
中央政治局とその常務委員会が中央委員会総会の閉会期間に、中央委員会の職権を行使する。

中央委員会総書記は中央政治局会議と中央政治局常務委員会会議を召集することに責任を負って、中央書記処の仕事を主宰する。
党の中央軍事指導機構は中央軍事委員会である。
中央軍事委員会のメンバーは中央委員会が決定する。

中央書記処は中央政治局とその常務委員会の事務機構であり、そのメンバーは中央政治局常務委員会が指名し、中央委員会総会で採択する。
毎期の中央委員会によって選出された中央指導機構と中央の指導者は、次回の全国代表大会の開会期間に、次回の中央委員会が新しい中央指導機構と中央指導者を選出するまで、引き続き党の日常活動に責任を負う。 

(二)党の地方指導機構

党の省、自治区、直轄市、区を設けている市と自治州、県(旗)、自治県、区を設けていない市と市に管轄される区の代表大会は、5年ごとに一回開催される。

党の地方各クラス代表大会は同じクラスの党の委員会が召集する。特殊な情況の下で、上級の党委員会の認可を経て、繰り上げるかあるいは開催を延期することができる。

地方各クラス代表大会代表の定員と選出方法は、同クラスの党の委員会が決定し、そして上級の党委員会に報告し、認可してもらう。

地方各クラス代表大会の職権は次の通り。

(1)同じクラスの委員会の報告を聴取し、審査する。
(2)同じクラスの規律審査委員会の報告を聴取し、審査する。
(3)その地区の範囲内の重要な問題を検討し、決議を行う。
(4)同じクラスの党の委員会を選出し、同じクラスの党の規律審査委員会を選出する。

党の地方各クラス委員会は代表大会の閉会期間に、上級の党組織の指示と同じクラスの党代表大会の決議を執行し、その地方の仕事を指導し、定期的に上級の党の規律委員会に仕事を報告する。

党の省、自治区、直轄市、区を設けた市、自治州委員会は任期が5年である。これらの委員会の委員と委員候補は必ず5年以上の党歴がなければならない。

県(旗)、自治権、区を設けていない市と市に管轄される区の委員会の任期は5年である。これらの委員会の委員と委員候補は3年以上の党歴がなければならない。

党の各クラス代表大会が繰り上げるかあるいは開催が延期される場合、それが選出した委員会の任期は相応に変化する。

党の地方各クラス委員会の委員と委員候補の定員はそれぞれ上級の委員会が決定する。党の地方各クラス委員会の委員が空席となった場合、委員候補が得票数によって順番に補欠する。

地方の各クラス委員会総会は毎年少なくとも二回開催される。

地方の各クラス委員会総会は常務委員会委員、書記、副書記を選出し、そして上級の党委員会に報告して認可してもらう。

党の地方各クラス委員会の常務委員会は委員会総会の閉会期間に委員会の職権を行使する。

次回代表大会の開会期間に、新しい常務委員会が選出されるまで、引き続き日常の仕事に責任を負う。

党の地区委員会と地区委員会に相当する組織は党の省、自治区委員会がいくつかの県、自治県、市の範囲内で派出した代表機関である。省、自治区委員会の授権に基づいてその地区の仕事を指導する。

(三)党の末端組織

中国大陸部のすべての企業、農村、政府機関、科学研究院・所、街区住民委員会、人民解放軍中隊およびその他の組織で正式の党員が三人以上いる場合、党の末端組織を設立すべきである。

中国共産党の末端組織は中国共産党の社会末端組織のなかでの戦闘力のとりでであり、党のすべての仕事と戦闘力の基礎である。

党の末端組織は、必要と党員の人数によって、上級の党組織の認可を経て、それぞれ党の末端委員会、総支部委員会、支部委員会を設立する。末端委員会は党員大会あるいは代表大会によって選出され、総支部委員会と支部委員会が党員大会で選出される。

党の末端委員会の任期は3年あるいは4年であり、総支部委員会、支部委員会の任期は2年あるいは3年である。
末端委員会、総支部委員会、支部委員会によって選出された書記、副書記は上級の党組織に報告し、認可してもらう。

(四)党グループ

中央と地方の国の機関、人民団体、経済組織、文化組織およびその他の非党組織の指導機関のなかでは、党グループを設立する。

党グループの任務は主に党の路線、方針、政策の実現に責任を負い、それぞれの部門の重要な問題を検討、決定し、非党幹部と大衆を団結し、党と国の指示した任務を完成し、機関と直属部門の党組織の仕事を指導する。

党グループのメンバーは党グループの設立を認可した党の委員会が指定する。党グループは書記、副書記を設ける。

党グループは必ずその設立を認可した党の委員会の指導に従わなければならない。

(五)党の規律検査機関

党の規律検査機関は中央規律検査委員会、地方各クラス規律検査委員会と末端規律検査委員会がある。

党の中央規律検査委員会は党の中央委員会の指導の下で仕事をする。

党の地方各クラス規律検査委員会と末端規律検査委員会は同じクラスの党委員会と上級規律検査委員会の二重の指導の下で仕事をする。

党の各クラス規律検査委員会の任期は同じクラスの党委員会の任期と同じである。

党の規律検査委員会総会は常務委員会、書記、副書記を選出し、そして党の中央委員会に報告し、その認可してもらう。

党の各クラス規律検査委員会総会は常務委員会、書記、副書記を選出し、また同じクラスの党委員会が採択し、上級の党の委員会に報告し、認可を受ける。

党の末端委員会が規律検査委員会を設立するか、あるいは規律検査委員を置くかどうかは、その上級の党組織が具体的な情況に基づいて決定する。

党の総支部委員会と支部委員会は規律検査委員を置く。

党の中央規律検査委員会は仕事の必要に基づいて中央クラスの党と国の機関に党の規律検査グループあるいは規律検査員を派出することができる。

規律検査グループの責任者あるいは規律検査員はこの機関の党の指導が組織する関連会議に列席することができる。

彼らの仕事はこの機関の党の指導者の支持を受けなければならない。

五、党員

中国共産党党員は中国プロレタリア階級の共産主義の自覚のある前衛戦士である。

年齢が満18歳の中国の労働者、農民、軍人、知識人およびその他の革命者は、党の綱領と規約を認め、党の組織に参加し、その組織のなかで積極的に努力し、党の決議を執行し、期限通りに党費を上納することを望む場合、中国共産党への加入を申請することができる。

党員の拡大は党の支部の認可を経て、個別に吸収する原則を堅持しなければならない。

特別な情況の下では、党の中央と省、自治区、直轄市委員会は直接党員を吸収することができる。

党への加入を申し出するものは、入党申請書を書き、二人の正式の党員が紹介者となり、支部大会で採択され、上級の党の組織が認可してから正式の党員になることができる。

すべての党員は職務の大小を問わず、必ず一つの支部、グループあるいはその他の特別に指定された組織に編入され、党の組織活動に参加しなければならない。

党員指導者は党委員会、党グループの民主活動会に参加しなければならない。

党員には党の組織を退出する自由がある。

党員が党の組織から退出することを要求した場合、支部大会で検討し、除名し、そして記録に留めるため上級の党組織に報告すべきである。

党員が党の義務を履行せず、党員の条件に合致しない場合、党支部は期限内に改正を要求すべきであり、教育しても改正しない場合、党組織を退出するよう説得すべきである。

党組織から退出するよう党員を説得することは、支部大会の検討を経て決定し、そして上級の党の組織の同意を得るため報告すべきである。

勧告された党員が退出しないことを堅持する場合、支部大会に提出、検討して、その除名を決定すべきであり、そして上級の党組織の同意を得るために報告すべきである。

党員は、正当な理由もなく、6カ月連続して党の組織活動に参加せず、あるいは党費を上納せず、党が与える仕事をしない場合、自ら脱党するものと見られる。支部大会はこれらの党員を除名することを決定し、上級の党組織の同意を得るために報告すべきである。

党員が党の決議と政策に対して違った意見がある場合、断固として執行するという前提の下で、自ら意見の留保を声明することができ、自らの意見を上級の党組織、ひいては中央にまで提出することができる。

六、中国共産党の国に対する指導

中国共産党の国に対する指導は主に次のような政治、思想、組織の指導である。

第一、国の立法と法律の執行を組織し、指導する。
第二、人民の軍隊に対する指導を強化する。
第三、幹部の仕事を指導し、管理する。
第四、社会に対して組織し、働きかけを行う。
第五、思想と政治の仕事を重視する。