黄酒はわが国特有の伝統的な醸造酒で、すでに3000年以上の歴史があり、液体が黄色を呈していることから黄酒と呼ばれるようになった。糯米や白米またはモチキビを主原料に、蒸したり煮たりし、糖化、発酵させ、圧縮搾りして作る。黄酒は低度(15-18%)の原酒で、色は黄金色または濃い紅色を呈しており、糖分やアミノ酸、ビタビンなどを含み、栄養価値は高い。製品としての黄酒は煎じ煮る方法で滅菌した後、陶製の壺に入れて口を封じる。壺に長く置かれればそれだけ芳香を放つことから、「老酒」(ラオチュウ)と呼ばれている。
黄酒の分類:
種類は非常に多く、製法や風味いずれもそれぞれに特徴があり、主に長江下流一帯で生産されている。浙江省紹興の製品が最も有名。種別は以下の通り。
1、原料と麹による種別
糯米黄酒
●糯米黄酒
麹と麦麹を糖化、発酵剤とする。主に南方地区で生産。
●モチキビ黄酒
米麹菌で作ったふすま麹を糖化、発酵剤とする。主に北方地区で生産。
●白米黄酒
改良された黄酒で、米麹を加えた発酵母を糖化、発酵剤とする。主に吉林や山東省で生産。
●紅曲黄酒
糯米を原料に、紅曲(調味料の一種)を糖化、発酵剤とする。主に福建や浙江省で生産。
2、生産方法による種別
●淋飯法黄酒
糯米を清水に2日2晩浸した後に蒸し、さらに糖化と発酵にとって最適の温度になるまで冷水を噴きかける。麹と特製の麦麹、清水を加えてかき回し、45日の間糖化、発酵させれば完成。この方法は主に甘口黄酒に生産に用いられている。
●灘飯法黄酒
糯米を清水に16-20日間浸し、米粒を取り出し、のり状になった水を取り出しておく。蒸した後、むしろに敷き、空気にさらして所定の発酵温度まで冷ます。一定分量の麹、麦麹、清水、のり状になった水を加え、60-80日の間糖化、発酵させれば完成。この方法による黄酒の品質は一般に淋飯法よりよい。
●喂飯法黄酒
原料の糯米を幾つかに分けておく。最初の原料で淋飯法によって麹を作った後、さらに分け取って新たな原料を加える。このようにして発酵を繰り返す。この方法で生産した黄酒は淋飯法や灘飯法による黄酒に比べ、発酵がより深まり、原料の利用率も比較的高い。これは昔からの醸造法の1つで、後漢時代に流行した。現在でもこの伝統技法を踏襲しているところが多い。著名な紹興加飯酒はその典型的な代表。
3、味または糖分による種別
●甘口(10%以上)
●半甘口(5-10%)
●半辛口(0.5-5%)
●辛口(0.5%以下)
4、その他の異なる方法による種別
※酒の色による命名
●元红酒(琥珀色)
●竹葉青(浅绿色)
●黒酒(暗黑色)
●紅酒(紅黄色)
※加工・技能の違いによる命名
●加飯酒(原料の白米使用量が多い)
●老廒(ごう)酒(米を浸す酸性水を繰り返しよく煮込み、米の浸し水の代わりにすることで酸味を高める。酵母の培養にも用いられる)
※包装による命名
●花雕(酒壺の外側に様々な紋様や図案が描かれている。
※特殊な用途による命名
●女児紅(女の子が生まれた際に酒壺を地中に埋め、嫁ぐ時に取り出して客をもてなす)
「チャイナネット」2008年11月17日 |