白酒は中国伝統の蒸留酒。「焼酒」とか「白乾」とも呼ばれている。生産の歴史は非常に長い。穀物やイモ類などでん粉を多く含む作物を主原料に、発酵・蒸留させて作る。アルコール度一般に40度以上だが、それ以下の低度酒もある。
白酒は透き通るように透明、純一であり、濁りはなく、味や芳香ともに馥郁、やさしく、柔らかで、刺激性がやや強いので、飲んだ後に香りがしばらく残る。各地で生産されているが、山西や四川、貴州省などの製品が最も有名。各地の名酒はそれぞれに極めて独特の風格を備えている。
中国の白酒は黄酒から進展、変化したもの。酒は早くに麹などで醸造されていたが、蒸留器が出現する以前はアルコール度のやや低い黄酒しか作れなかった。その後、蒸留器が出現したことで、麹などで発酵させた酒をさらに蒸留し、アルコール度の比較的高い蒸留酒、白酒が作れるようになった。
白酒の分類:
白酒は種類が非常に多く、製法や風味いずれもそれぞれに特徴がある。種別は以下の通り。
1、生産原料による種別
●穀物白酒
コウリャンやトウモロコシ、白米、大麦などが原料。有名また品質の優れた白酒の大半はこの種の酒である。
●薯乾白酒
サツマイモやジャガイモ、キャッサバなどが原料。イモ類はでん粉と糖分を多く含んでおり、蒸す、煮たりすれば、のり状になりやすく、アルコール分生成率は穀物白酒より高い。だが、品質は劣り、多くが一般的な白酒である。
●その他の原料による白酒
でん粉と糖分に多く含んだ農業副産物や野生植物が原料。例えば、米ぬかやコウリャンぬか、サトウキビ、サンキライ、クズの根など。品質は穀物白酒や薯乾白酒に及ばない。
2、香りによる種別
●酱香タイプ
茅台酒が代表格。濃厚、醤の香り馥郁、高雅で、柔らかく甘味が漂う。グラスに注いで長時間すぎても香りは消えることはなく、飲み干しても香りが失せないのが特徴。
●濃香タイプ
瀘州の老窰特曲が代表格。芳香濃厚で、いつまでも味わいが残り、飲み干してもほのかな香りが漂うのが特徴である。
●清香タイプ
汾酒が代表格。きらきらして透明で、優雅で清らかな香りが漂い、味は濃厚で柔らかく、爽やかなのが特徴である。
●米香タイプ
桂林の三花酒が代表格。白米を原料に発酵・醸成させた麹を使った白酒である。蜜の香りのように清々しく柔らかで、優雅で純一、いつまでも味わいが漂うのが特徴。
3、アルコール度による種別
●高度酒(51-67%)
●中度酒(38-50%)
●低度酒(38%以下)
「チャイナネット」 2008年11月21日 |