湖南料理

 

一 料理系譜の形成

湖南は中南地区に位置し、気候は温暖で降雨量が多い。沅江、湘江、資江、澧江の4河川が貫流しており、自然条件に恵まれている。西部には山が多く竹の子、キノコをはじめとして山の珍味が豊富である。東南部の地勢は丘陵と盆地で農業、牧畜業が発達しており、北部は名高い洞庭湖平原で古くから魚米の故郷と称されている。湖南の人々はこの豊かな産物を背景にして、一連の湖南料理を作り出してきた。湖南料理は中部南部地区、洞庭湖地区、西部山岳地区の三地方料理で構成されている。中部、南部地区の料理は長沙、湘潭、衡陽を中心としており、湖南料理を代表している。

二 湖南料理の特徴

1 包丁捌きが見事で、盛り付け、形状が美しい。包丁使いは16種もあって、千変万化の趣がある。

2 調味上、酸味、辛口で有名である。原料に味がしっかり浸透することを重んじ、調味は原材料の材質によって異なる。湖南料理は酸味、辛味で知られ、辛味を主として酸味はその中に潜めている。菜種油をよく使うのも湖南料理の特徴の一つである。

3 料理技法は多種多様だが、特に煮込み料理を重んじる。煮込む技法が多いので、濃厚な味の料理が自然と多い。その他の技法としては炒め、揚げ、蒸、燻し等もよく湖南料理に使われる。

湖南料理の代表には“腊肉(干し肉)合蒸”、“東安子鶏”、“醤汁(味噌煮込み)肘肉(豚腿肉)”、“麻(山椒)辛子(唐辛子)鶏”、“氷砂糖湘(湖南)蓮”、“荷葉(蓮の葉)包蒸魚”、“油辣(唐辛子)冬笋(竹の子)尖”、“湘西(湖南の西部)酸味肉”、“紅焼全狗(犬肉醤油丸煮込み)”、“菊花(菊花ズクリ)魷魚(イカ)”等がある。

 

「チャイナネット」2008年11月25日