一 料理系列の形成
福建は中国東南部に位置し、気候は温暖で東は海に面し西は山を背負っている。山海の料理材料に富み、福建料理形成の条件を満たしている。福建料理は福州、閩南、閩西の酸地方料理で構成されるが、福州料理をもってその代表とする。福州料理は淡白で酸味、甘みに偏する。スープだしの調整、旨みの引き出しに拘り、スープの種類は多様である。調味には酒麹、酒糟をよく用い、煎り糟、赤麹調味、酒糟隠し味、糟漬けなどの料理法がある。
閩南料理は調味料を重んじ、甘み、辛味の味付けで名高く、唐辛子ソース、ピーナッツソース、マスタードソースをよく使用するが、中でもピーナッツソースの味付けは格別である。
閩西料理はやや塩味に偏し、郷土料理の趣が深い。
二 福建料理の特徴
山海の珍味を料理することで名高いが、特に海鮮料理に巧みである。色、香り、味、形のよさを前提とした上で、淡白な旨み、旨みのある柔らかさ、飽きが来ない風味があり、包丁さばきが見事で、独特の調味による味付けに趣があり、調理は丁寧であるが豪快さを感じさせる。調理法は餡かけ、下茹で炒め、揚げ、煮込み、から揚げに限らないが、特に炒め、下茹で炒め、とろ火煮込みに定評がある。材料の選定は厳格で、スープを重視し、材料のもどし方、火加減、調味が適切である。
福建料理の代表には“佛跳墻”、“焼片糟鴨(アヒル)、“太極明蝦(タイショウエビ)”、“小糟鶏丁”、“白炒鮮竹蟶(アゲマキ)、“生炒黄螺(タニシ)片”、“炒西施舌(アリソガイ)”などがある。
「チャイナネット」2008年11月25日
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