北京オリンピック公園中心区の南部に位置する国家体育場は「鳥の巣」の愛称で知られ、北京オリンピック大会のメーンスタジアムである。敷地面積は21万平方メートル、延べ床面積は25万8千平方メートル。オリンピックとパラリンピックの開閉幕式はここで行われ、オリンピックでは陸上競技と男子サッカー、パラリンピックでは陸上競技に使用された。観客席は固定席が8万席、臨時席が1万1千席。
大会終了後は、国内・国際のスポーツ大会と文化娯楽活動の開催に使われるほか、北京市民がスポーツと娯楽2大型施設となる。独特な建築スタイルから北京のランドマークとなる。
「鳥の巣」は特級体育建築物とされ、建物の基本部分は100年間使用できる。火事にも強く、マグニチュード8の地震にも耐えられる設計で、地下部分の工事にあたっては1級の防水措置が取られた。
「鳥の巣」の中国側デザイナー・李興鋼氏は「複雑なフレームを見落としたとしても、輪郭だけを見ても、その全体の形状から、この形体の単純性を感じることができるでしょう。この単純さは中国伝統の磁器や陶器と似ており、中国文化に詳しい人であれば、ある種のかつて味わったことのある思いを抱くのではないか」と話す。
「鳥の巣」や「水立方」は、一つは円形、一つは方形で、北京の中軸線の両側に位置している。そうしたことから、中国の「天円の場所」という伝統文化の深い意味を具体的に示すもので、「鳥の巣」には「鳳凰が戻る巣」といった美しい願いが暗に込められており、同様に情趣に富んだ中国的な創意でもある、と評価する人もいる。
「チャイナネット」「人民網日本語版」2008年11月26日 |