景勝地

■退思園

同里の風景のなかで精髄を集め、核心をなすのが退思園だ。水に張りついたような建築物と横向きの構造、これが独特の風格を持たせている。一般に個人の庭園はいずれも縦に伸びる構造になっている、退思園の主は敢えて横向きの構造を採用。池を中心に、四周に亭や楼閣などが並ぶ。どれもが水の近くに築かれており、水上に浮いているかのように見えることから、「水に張りついた園」と呼ばれる…

■崇本堂・嘉蔭堂

嘉蔭堂は前後に4つの庭があり、1922年に築かれた。主体となる建築物は明代の構造を模倣しており、庭は広大で荘厳な趣がある。メインホールである嘉蔭堂は、至るところに秀麗な彫刻が施され、内宅衍慶楼の前にあるレンガ彫りの門楼には、天井石板に浮き彫りがある。門楼の西北部、水際に水秀閣が建っており、なかにいると風や水の音、櫓の音が聞こえてくる。

崇本堂は嘉蔭堂と川を隔てて建っている。清代末期から明代初期にかけて築かれた。前後に5つの庭があり、構造は合理的で、とくに彫刻の施された梁、絵の描かれた棟が有名だ。木彫は100を超える。ホールと楼の間は風火壁で仕切られ、楼の回廊の左右には防火用のカニの目のような天井が設けられている。

■太平橋・吉利橋・長慶橋

町の中心部、2本の川が交差するところに、歴史の長い3基の小さな橋が連なっている。それぞれに太平橋、吉利橋、長慶橋。3つの石橋は実に精巧で、質朴で優雅さたたえており、まさに同里にある橋のなかの宝。地元の人にとって、この3つの橋は災いを失くし難題を解いてくれるシンボルでもある。昔から今に至るまで、人びとはおめでたいことがあると3橋を渡る風俗がある。

■ 民居

独特の民居は、それ自体が一風景を織り成している。多くが明清時代の建物で、大半が水に面して築かれている。一大景観をなすのが、レンガ彫りだ。大部分が旧宅や庭園の門楼、隠し壁、梁の装飾などに用いられており、とくにレンガ彫りの門楼が多い。なかでも朱宅五鶴の門楼が最も壮観だ。この門楼は江南地方のレンガ彫り芸術の傑作と言われる。木彫は崇本堂と嘉蔭堂のものが最高。

「チャイナネット」2005年12月

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