■古橋 安仁橋や安境橋、安善橋、五福橋、清寧橋、臥竜橋、来鳳橋など、数多くの橋が点在している。1998年現在、その数は全鎮で104基を数え、多くが明清時代の建造だ。大半が単一または3つのアーチがある石柱木梁の橋。精緻な造りで、今でも完全な形をとどめており、極めて高い観賞価値がある。 五福橋:明代の建造。清代の光緒年間に改修された。単一アーチ型の石製橋で、長さ14メートル、アーチの幅は7.5メートル。 臥竜橋:清代康煕年間に造られた、石製の単一アーチ型の橋。長さ31.46メートル、幅4.95メートル。全鎮で最高の橋だ。 ■廊棚 内外の観光客を魅了するのが、廊棚。川沿いの道の多くに廊棚が設けられており、商人や道行く人は雨を避け、また日差しをさえぎることができる。片側に長椅子が置かれているので、一休みできる。多くが木製の骨組みに瓦をのせて造られている。一般に幅は2〜2.5メートル。商業街に集中しており、総延長は1キロ余り。 ■弄 西塘で独特の光景をなしているのが、この弄だ。最も有名な弄は、西街にある「石皮弄」。長さ68メートル、幅はわずか1メートル。216個の板石が敷かれている。最も狭い弄は、焼香港北高階沿いにある李氏の邸宅の小弄。幅は、人1人が体を横にして通れるほどしかない。いま1つは、環秀橋西にある野猫弄。幅はわずか30センチ、隣り合う建物の隙間にできた弄だ。最も広い弄は、利氏邸宅の大弄。5人ほどが並んで通ることができる。最も短い弄は、餘慶堂の弄で、全長わずか3メートル。最も長い弄は、北棚街にある賢祠弄で、全長236メートル。 ■建築群 西塘は純朴な風情に溢れている。種福堂や薛宅などの古い邸宅に、七老爺廟や聖堂などの古い廟、西園などの名園、陸墳のイチョウなどはいずれも古鎮の観光の名所。 種福堂:清代の王氏の私邸。前後合わせて7つの庭があり、後方に後花園が加えられ、典型的な清代の民居の風格を漂わせている。 薛宅:民国時代の建築で、当時は南方の商品を扱う商店だった。賑やかな商業街に位置し、前が店、後ろが住まいの構造。庭は前後に2つある。前は通りに臨み、後ろは河に面しており、西塘の典型的な店と住まいが一体化された民居だ。 聖堂:明代の建築。清代の康煕年間に2度改修した後、関帝像が安置されて「聖堂」と改名された。当時、正月1日を迎える度に地元の商人が数多くここに集まり、いろいろな風味の「小吃」(手軽な食べ物)や年画、玩具などが売られていた。 倪宅:倪氏は読書人の家柄。前後合わせて5つの庭があり、前に廊棚が、後ろに花園が設けられている。 西園:明代の朱氏の私邸。江南地方の富豪の建築物で、亭や楼閣、築山や魚池などが造られている。当時、西塘で優美な風景をたたえた庭園だった。 ■展示館 西塘に残る古い邸宅には建築文化、文化財としての価値がある。広間や書斎などの邸宅内部が開放されているほか、歴史文化財や、館主が所有する竹彫刻や木彫、瓦当(軒丸瓦の先端部)、囲碁、書画、古書、著名人の拓本などが展示されている。 張正根彫(木根の彫刻)芸術館:館内には「ギネス」や「タカ」「仏像」「海底の世界」をテーマにした特色ある4つの展示ホールが設けられ、約300点の根彫作品を展示している。 江南瓦当陳列館:瓦当は材質の強固な建築装飾材で、保存しにくいため、長い年月を経たものは歴史的価値があるという。館内にはレンガ彫りや古レンガ、陶製の人形などの作品300点余りを展示。 明清木彫館:梁枠や格子窓、彫刻つき欄干、窓板など、明清時代以降の江南地区にある民居の建築用木彫を250点展示している。文様は精緻で、彫刻技法も多様的。 民間収蔵館:西塘はボタンの里として全国的に有名だ。ボタン博物館は古代、近代、現代のボタン、貝殻ボタンと生産プロセス、ボタンの応用、中国結びの6つの展示ブロックに分かれている。漢代から現代までのボタン約1000個を展示。 「チャイナネット」2006年3月
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