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奥チベットに入る
発信時間: 2008-09-25 | チャイナネット
 

ラサからシガツェに通じる北ルートを進行む「茶馬古道」取材クルー

黒首鶴の越冬

ラサからシガツェに通じる北ルートを進行む「茶馬古道」取材クルー ネパールに通じる国道318号線に沿って進んでゆく。ニェモ峡谷を抜け、ゆるやかな地勢になってくると、ヤルツァンボ川に取り囲まれた平坦な土地で、群れをなす羊たちが草を食んでいる。ふいに、山の方で原野の上空を旋回している鳥の鳴き声が、途切れ途切れに耳に飛び込んできた。無意識にカメラの望遠レンズで観察し、その光景に興奮の声を抑えきれなくなった。「見ろ。黒首鶴があんなにたくさんいる!」カメラマンの梁さんにトランシーバーで前の車に連絡してもらい、この珍しい光景を撮ることにした。私たちは車を田畑の脇に停め、撮影設備一式を背負って抜き足差し足で黒首鶴のいるあたりまで進んでいった。

飛び立つ黒首鶴の群れ

黒首鶴は中国一級保護動物であり、「チベット鶴」「高原鶴」などの別名もある。チベット語では「ジョンジョン」「アークゥジョン」と呼ばれている。中国特有の鳥類98種のひとつ、国際自然保護連合(IUCN)鳥類レッドリストにも掲載されている絶滅の危機に瀕している種でもある。標高2500~5000メートルの高原に生きる唯一の鶴類で、青海・チベット高原と雲南・貴州高原の青海省、チベット自治区、新疆ウイグル自治区、四川省、甘粛省、雲南省、貴州省の7つの地域に生息している。また、主に新疆の阿爾金山、カラコルム(喀喇崑崙)山、甘粛の祁連山、チベットのヒマラヤ山北陵、雲南の横断山及び甘粛、青海、四川三省の境を接する松潘芝生、雲南と貴州が相接する烏蒙山一帯に分布している。

飛び立つ黒首鶴の群れ 青海・チベット高原の東北部で繁殖する黒首鶴は、越冬のため、毎年10月の下旬から群れをなして隊を組み、青海・チベット高原の東南部と雲南・貴州高原へ移動する。翌年春になると再び戻ってくる。

こっそりとかつ素早く鶴の群れに近づいてゆくと、黒首鶴たちの様子がはっきりと見えた。うつむいて一心に食べ物を探しているもの、翼をはためかせ、見事な舞いを見せるかのごとくあちこちをのんびりと跳びまわっているものもあれば、空に向って声を張り上げ、歌っているのもある。空を飛んでいる仲間に呼びかけているのだろうか。

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