さまざまな形状の石林 ある程度まとまりがあり、集中して分布している石林の中で、もっとも有名なのは大石林、小石林、乃古石林である。構造から見れば剣状、キノコ状、塔状、柱状、城壁状などのカルストに分けられ、その形は人間のようにも、動物のようにも、大波のようにも、万木の林立する森のようにも見える。 大石林と小石林はまた李子箐石林とも呼ばれる。『路南州志』(石林県はかつて路南州というところに属していた)に記載されている言い伝えがある。昔、ある人が厳しい冬に石林を通る時、はるか遠い石の上に2本のスモモの木を見つけた。鮮やかな赤い実がなっていたが、近くに行っても摘み取ることができない。翌日再び探しても、そのスモモの木は見つからなかったという。まるでスモモの木がそこにあったように見えたことから、李子箐(スモモが生い茂っているという意味)石林と呼ばれることになった。李子箐石林は面積およそ16平方キロ、石灰岩の峰の間にはめこんだような大小7つの池がある。ここを訪れた観光客は迷宮に入り込んでしまったかのように、様々なカルスト地形を楽しみながら神業のようなすばらしい大自然が作り出した世界を体験する。また、高いところに登れば、山を押しのけ海を覆さんばかりの勢いの岩の波、金城鉄壁のごとく堅固な石峰を俯瞰することができる。 石林地区は大量の古脊椎動物化石が埋蔵されているため、中国の古脊椎動物の化石保護区にも指定されている。また、雲南省で80万年前の旧、新石器遺跡がもっとも豊富な場所の1つでもある。仔細に観察すると、李子箐石林では岩に描かれた絵の断片を眼にすることもある。岩に描かれたこれらの古い壁画には、代々この地に暮らしてきたイ族の一支系・サニ族の祖先たちが、祭祀を行ったり、踊りを楽しんだり、狩りをしたり戦ったりした場面などが反映されている。 |