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大メコンに生きる(4)人々の保護神 熱帯雨林 |
発信時間: 2009-06-29 | チャイナネット |
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ナパガー村は60世帯からなり、村の祈祷師は神霊とのコミュニケーション、世俗の事務的なことを取り仕切る村落の責任者であり、村の長老である。村の代表者として、事務的なさまざまなことの決断を下し、伝統と経験を次の世代に伝えてゆく。これは威信によって自然に形成された長老会であり、どの村にもふつう4、5人の長老がいる。 55歳のカンムスオエンさんはナパガー村の長老の一人である。村の生活はシンプルで詩趣に満ちており、カンムスオエンさんはいつでも口笛を吹いている楽しげな人だ。 熱帯雨林はナパガー村の人々に食物、燃料、基本的な生活物資をもたらしてくれる。季節によって、雨林がもたらしてくれる食べ物は異なる。この地の住民は、ほぼ毎日のように雨林の中に食べものを探しに行く。乾季には、カンムスオエンさんは雨林の中で陸蟹を見つけることができる。彼は雨林の中のすべてを熟知しており、この時期の陸蟹が木の根の下に隠れて微動だにせず、英気を養って力を蓄えていることも知っている。 雨季がやってくると、雨林の中に隠れて見えなかった川が氾濫し、たちまち木の根が水没すると、蟹たちは自由を回復して泳ぎ始める。しかしこのとき、村全体は水浸しになり、村人たちはかえって身動きがとれなくなってしまう。村人たちは雨林の生活にすっかりなじみ、足元を木のくいで支えられた高床式の小屋を作りだす。竹で編んだ籬の仕切りは、洪水による水浸しや動物の攻撃を防ぐだけでなく、とても涼しくさわやかで、雨林の猛暑に対する対策にもなっている。雨林では、乾季と雨季の温度差はあまりなく、気温はふつう30度前後である。 カンムスオエンさんが蟹を掘りに行くところは村から5、6キロ離れた、徒歩で1時間あまりかかるところにある。雨林での食物採取は、まずこの土地の神霊に知らせ、神霊の加護を求めなくてはならない。 「神様、私はこれから雨林に食物を探しに参ります。どうか驚かれませぬよう。どうぞ私をお守りください。たくさんの収穫がありますように」 カンムスオエンさんは食物がなくなる心配などしたことはない。自分たちを庇護してくれている雨林は、何日も夜を徹して歩き続けても果てまでたどり着くことはできないほどに、とてつもなく大きいのだから。
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