新型インフルエンザの影響にもかかわらず、皆既日食世界最高の観測地・中国長江デルタ地域に続々と海外観光客が詰めかけている。今月22日の日食出現までのこり3週間を切り、杭州、上海、蘇州など各地で、「日食ツアー」が既に始まっている。
長江デルタに位置する杭州市には、既に「日食ツアー」に参加する海外観光客が訪れている。浙江省中国旅行社航空観光入国センターの担当者によると、先月末に欧米観光客らの入国が始まり、皆既日食鑑賞が今回の中国観光の目玉となっている。今月5日から、英国、フランスなどからのツアーが多数入国、総人数は2千人を超えると予測されている。7月は現地の各大手旅行代理店にとって、欧米観光客受入数が年間最高の月となる。
天文学的予測によると、今回の皆既日食は過去500年間で持続時間が最も長いものとなり、中国長江流域の42都市でいずれも観測が可能となる。南京紫金山天文台の予測では、浙江省舟山市全域でいずれも観測が可能となり、観測可能時間は中国各都市の中で最も長い。加えて舟山市は群島都市であり、海面上には視界を遮るものが全くないため、観測に向いている。舟山市観光局によると、現地の海岸沿いのホテルは既に満室という。予約済みの観光客2300人以上の中には、日本、イスラエル、米国などからの500人以上が含まれている。
上海では、「日食ツアー」は上海市観光局が認定する今年の夏の上海三大観光テーマのひとつとなっている。1カ月以上前には、上海市内の主な観測ポイント周辺のホテル予約率は7割に達し、日食直前には、日本、韓国、欧米地域からの観光客数は平年を上回り7月の海外観光客入国数の記録を更新すると予測されている。
蘇州市観光局も今回の皆既日食にあわせ、特色あふれる6つの観光コースを用意、それぞれ園林、古城、太湖、古い村落など蘇州ならではの観光地を巡ることになっている。皆既日食の際には、各国から訪れた観光客らが中国ならではの趣きが満ちあふれる観光地で、皆既日食という世紀のイベントを堪能することになる。(編集HT)
「人民網日本語版」2009年7月3日