2012年9月という非常に敏感な時期に、どうして野田内閣は釣魚島の主権争いを仕掛けたのだろうか。唯一の合理的な解釈として「低迷する野田内閣の支持率を上げ、総選挙に備える」ことが挙げられる。この解釈は広く賛同されており、これに疑う人もほとんどいないと言ってよい。
ただ不思議なのが、日本社会が中日両国の関係悪化を望んでいない場合、支持率は上がるのかということである。この問題に対する明確な答えは今のところ見当たらない。
ところが日本の二大政党、つまり政権党の民主党と野党の自民党はいずれも、まるで釣魚島事件に対して強硬な発言をしたほうが選挙で勝てるばかりに騒ぎ立てていた。この状況に全世界は、日本の政治が右傾化したように感じている。
では、釣魚島事件によって、本当に野田内閣の支持率は上昇したのだろうか。日本の民衆は右翼に惑わされているのだろうか。それに対しては明確な答えがある。
産経新聞とフジテレビが6日と7日に行った共同調査によると、野田内閣の支持率は25.6%で、9月初旬の調査と比べて1ポイント下げた。不支持は59.1%に上る。釣魚島事件で野田内閣は苦い汁を飲まされたようだ。支持率の低下は、釣魚島の争いに対する強硬な態度によるものか、それとも弱腰な態度によるものなのか。
その他の調査結果も見てみよう。前回の調査では、野田総理以上にタカ派である安倍氏の人気が高かった。しかし最新の調査では、56.4%が不支持としており、支持率も40.2%に低下している。
他の調査結果からも明確に分かることがある。大阪市長である橋下徹氏が率いる、もともと支持率が高くない新興の右翼政党である「日本維新の会」の支持率は14.2%で、9.6ポイントも落としている。前回比で約40%も下げた。
さらに大きな変化は、国慶節前の調査では80%の日本人が中国に対して強硬な態度を主張していたが、国慶節後の調査では中日関係の改善を支持する層が強硬派を上回ったことだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年10月14日