「生命の台所」。山の幸も海の幸もないが、温もりがある。
2003年、南昌市新建区聯圩郷出身の60代の万佐成さん・熊庚香さん夫妻は江西省腫瘤医院の近くに油条(揚げパン)の露店を出した。店を閉める時間になると、病院で治療を受ける患者の家族がやってきて、鍋を貸している。治療費が高く期間が長く、自分で作った方が節約できる上に、病人も安心して食べられる。万佐成さんと熊庚香さんは彼らを手助けし、店は「生命の台所」となっていった。夫妻は料金をとるつもりはなかったが、人が増え、石炭や水などのコストがかかるため、1品につき1元を徴収するようになった。春節の時期も無料で開放している。患者の家族に鍋を貸して食事の問題を解決するだけでなく、夫妻はアドバイスや手助けもし、利用者に温もりを与えている。
10年あまりで、夫妻は数多くの死別した人たちを目にし、家族と患者を見送ってきた。熊庚香さんは、「自分は平凡な人間で、できることは少ない。彼らに少しでも温かく嬉しい気持ちになってもらいたい」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月16日