「書楼」で学生の夏智偉さんに物理の補習をする唐上君さん(左)
山奥の霧の中の部屋に、1人の老人の声が響き渡る。92歳の唐上君さんは自分の木造家屋のなかに「補習クラス」を開設し、子供たちに補習を行っている。
唐上君さんは湖南省益陽市安化県奎渓鎮霧寒村出身で、かつて村の学校で教員をしていた。霧寒村は山奥にあり、成人の多くが出稼ぎに行き、村は教師不足となっている。定年退職して10年が経った唐上君さんは村に戻り、ボランティアで留守児童に補習を行い、自分の家を教室の「書楼」にした。唐上君さんの「補習クラス」は開設20年以上になる。「書楼」の壁と箱の中には唐上君さんの「卒業生」が残した各種の指導資料、参考書、予習ノートなどがある。子供たちの勉強のため、唐上君さんは安化県の中心部または北京まで教材を買いに行く。また、新たな課題にも直面し、唐上君さんは自分の「課題バンク」を更新し続け、知識を広げ、資料や記録を毎日行っている。それだけでなく、県中心部からスマートフォンを買ってきてもらい、わからない問題があるとすぐに調べて子供たちに教えている。
唐上君さんは、「子供たちに学習意欲がある限り、自分は教え続ける」と話している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年9月10日