◇紛争になった場合の解決法がない
日本が南中国海の主導権を狙っているにしても、南中国海問題は中国と関連国の二国間の問題であり、日本がとやかく言う権利はない、紛争が生じた場合にも解決策を示すことはできないはずだ、というのが研究者らの意見である。
国際関係学院の楊伯江教授は「日本の介入は、南中国海の情勢をよりいっそう複雑にしてしまうだろう。だがその情勢を根本的に覆す力は日本にはないはずである」と述べている。その原因の一つは、日本は南中国海領有権争いの当事国ではなく、当然ながらその領有権にはありつけないからだ。もう一つは、野田政権が東日本大震災の復興に全力を上げている今、南中国海問題への介入姿勢はパフォーマンスに過ぎないからだ。財政的に厳しい今、南中国海に多額の財政支出が行なわれることはありえないのである。
関連研究者によると、南中国海が日本の対中牽制の切り札となり得るか否かは、今の段階では判断できない。ただ、日本が南中国海問題に乗じて中国と競合しようとするその試みが、最終的に身を結ぶかどうかはっきりしないことは確かである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年10月19日