日本は10日、大分県で大規模な軍事訓練を行う。これまでと違う軍事訓練に注目が集まっている。
まずこれまでと違う点は、ごう音による市民への迷惑を顧みなかったことだ。これまでの訓練はほとんど海域で行われ、できるだけ市民に迷惑をかけないよう配慮してきた。戦後、「平和憲法」を施行する日本は常に低調に軍事活動を行ってきた。毎年富士山のふもとで行う軍事訓練にしても、事前に貼り紙で告示し、地元住民に銃砲による「騒音」への理解を求めている。
しかし今回日本は、北部から90式大型戦車など40両以上の戦車を民間の交通機関まで使って輸送した。報道によると、戦車通過時の騒音は107デシベルにのぼる。6日夜10時すぎ、北海道千歳市の市民50人が戦車が走行する公道脇で抗議活動を行い、「戦車の公道自走訓練反対」とシュプレヒコールを上げた。ある市民は「音と振動が大きくてびっくりした」と話した。
日本の軍部は、抗議があることは百も承知で、ごう音で市民の「国防意識」を喚起し、次の戦争に向け、国民に心の準備、感情的準備、行為上の準備を促す狙いがあるのかもしれない。
◇明らかに中国を仮想敵国に
次にこれまでと違う点は、明らかに中国を仮想敵国にしていることだ。情報筋によると、戦後、また冷戦終結後、北部の北海道千歳市に駐屯する軍が南部の大分県の軍事訓練に参加するのは初めてだという。北から南への大規模な精鋭部隊の移動は、ただ軍事訓練に参加するだけでなく、民主党政権が昨年末に打ち出した「新防衛大綱」を具体化する目的がある。同大綱は鹿児島から沖縄にかけての南西諸島 の防衛態勢を強化する方針が示されている。日本の毎日、産経各紙は、今回の軍事演習は中国を仮想敵国としていると明確に指摘。つまり中国を敵対視する姿勢が、日本の今後の戦略となりつつあるということだ。
◇海外軍事に関与へ
3番目にこれまでと違う点は、他の軍事訓練と呼応していることだ。表面上、日本は今回の軍事訓練を独自で行うようだが、実際は今回の訓練前、10月24日から11月初めにかけ、日本は既に米国と軍事訓練を行った。今回の訓練終了後には今度は韓国と軍事訓練を行うことになっている。また、先のインドとの戦略対話で、来年の海軍共同訓練について協議した。一連の軍事行動から、日本は自衛にとどまらず、海外軍事に関与する道を歩もうとしていることがわかる。
日本の頻繁な軍事行動、戦略的配備上の調整に、中国は冷淡な態度で傍観すればいいが、準備はしておく必要がある。歴史の教訓に学ばない国家と民族は、最後に必ず歴史の「教訓」による「再教育」を受けざるを得ないだろう。(文=蒋豊)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月10日