米露が東アジアサミットに初参加 主導権を握りたい米国

japanese.china.org.cn, November 17, 2011
 

東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の外相が15日、インドネシア・バリ島で会議を開催、ASEANや東アジアなど一連の首脳会議が開幕した。一連の会議とは、第14回中国・ASEAN(10+1)首脳会議、中国・ASEAN対話関係構築20周年記念サミット、第14回ASEAN・中日韓(10+3)首脳会議、第6回東アジアサミット(EAS)など。温家宝総理が代表団を率いて出席する。

今回の会議の目玉のひとつは、18~19日の東アジア首脳会議で、なかでも今年は米国とロシアが正式参加することだ。中国外交部は、「中国はこれを歓迎する。両国が建設的な役割を発揮すると信じている」と表明。

一方、西側メディアは米国の東アジアサミットへの参加に注目し、今回の東アジアサミットは、米国の「アジア復帰」の重要な証となるとの見方を示している。米メディアはさらに、米国は今年の東アジアサミットで南中国海問題をめぐり同盟国と中国に圧力をかける方針だとし、同問題が今回の会議の主要議題の一つとなると報じた。

◇米露、東アジアサミットに正式参加

米国とロシアが東アジアサミットに参加するのは今年が初めて。米国はもともと東アジアサミットの参加国ではなく、これまで会議に参加したことはなかった。イラク戦争の収束、アフガニスタンからの軍撤退にともない、米国の外交重点はアジアに移りつつある。今回の東アジアサミットは米国の「アジア復帰」の重要な証になるとされている。

クリントン米国務長官は昨年10月27日から11月8日にかけ、ベトナム、カンボジア、マレーシア、パプアニューギニア、ニュージーランド、オーストラリアを次々と訪問し、訪問先で頻繁に南中国海問題に触れて回った。

◇中心の席を確保したい米国

金融危機以降、アジア太平洋は世界で経済成長が最も速く、最も活力のある地域で、従来はなかった安全要素を中心とする安全保障問題にも関心が集まるようになっている。クリントン国務長官は外交雑誌「Foreign Policy」に書いた「米国の太平洋世紀」で、米国は今後10年、多くの資源をアジア太平洋地域に投入し、戦略的移転を行う考えを示した。米国がアジア太平洋地域における国家的地位を強調する以外に、インドなども積極的に同地域への入り口を模索している。米国とロシアの正式参加で、アジア太平洋地域における大国間の勝負に新しい状況が誕生するだろう。

中国現代国際関係研究院グローバル化研究センターの劉軍紅主任は、「米国の参加は、席が1つ増えるというような簡単なものではない。盛大なパーティでいえば、米国は中心の席を確保し、改めて料理を注文する必要がある。米国の口にあうのはまさに安全保障に関する議題だ。米国は昨年から、朝鮮半島問題、中日船舶衝突事件、南中国海問題など東アジアの一連の安全保障問題を「調理」する準備を整えてきた。今回の東アジアサミットの本題は、中米露の安全構造になるだろう」と語った。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月17日