日本の安住淳財務相は20日、野田佳彦首相の訪中期間中に両国は国債の持ち合いについて話し合う予定で、日本は最大100億ドル相当の人民元建て国債を買い入れる方針だと表明した。
外貨準備高世界2位の日本による人民元建て国債の初購入には、大きな意味がある。日本にとっては、外貨準備の運用の多様化に向けた戦略的な動きの一つで、中国にとっては、初めて先進国の準備通貨となり、人民元国際化への重要な前進となる。
経済戦略を考慮すると、今年11月末時点で日本の外貨準備高は1兆3000億ドルに達し、その規模は中国に次ぐ世界2位となっている。その内訳を見ると、米ドル資産が7割超を占める。欧米の債務危機がある中、外貨準備の運用の多様化は今後の主な流れとなっている。日本にとって、人民元資産を保有することは、ユーロなどのハイリスク資産を保有するより安全で、日本が一貫してきた保守的な外貨準備の運用戦略とも一致する。
中国について言えば、日本政府が人民元資産を保有することは人民元の国際化に有利に働き、日本の最大の貿易相手国に対する中長期的な自信・支援も示している。
ところが、日本政府の初期構想によると、中国国債の購入規模は最大100億ドルで、外貨準備高の約0.77%にすぎず、そのうえ数回に分けて購入するという。そのため、象徴的な意味が実質的な意味を上回り、日本がドル資産やユーロ資産を手放すというわけではないと言える。
それだけでなく、実施可能性の問題もあり、買い入れ方式、撤退について、買い入れ案の他国に対する再現性の有無などの問題を考察しなければならない。
また、日本の人民元資産買い入れは一時的なものなのか、それとも準備高に占める割合は引き続き高まるのかもわからない。これは日本経済と世界経済の動きだけでなく、人民元レート、金利の市場化改革および資本項目の開放度など多くの要素に左右される。そのため、日本による中国国債買い入れは人民元の国際化を進展させるチャンスとなる可能性が高いが、実現までまだ長い道のりを歩まなければならない。
昨年9月、当時の財務相・野田佳彦氏は中国国債に投資すべきとの考えを表明した。日本政府はまだ最終決定を下していないが、国債の持ち合いは中日双方にプラスとなり、戦略的な相互信頼の増進、危機への共同対応にも役立つため、実現すると見られる。また、不安定な世界経済にとっても大きな意味と影響のあるニュースと言える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年12月22日