日本の野田佳彦首相は25日午後、北京に到着し、2日間の公式訪問を開始した。
民主党が09年9月に政権交代して以来首相の訪中は初めて。メディアが報じている、日本の中国国債購入について話し合いを行い、国債購入の具体的な細かい問題を解決する見通し。中国社会科学院世界経済・政治研究所国際投資室の王永中氏は「国際金融報」の記者に、日本の中国国債購入は明らかに次の2点を考慮してのことだとし、第1点は中日間の経済協力推進、第2点は日本の外貨準備高の多元化と準備資産の収益率の向上だと語った。
25日夜に新華社が伝えたところによると、日本当局が中国政府の債券に投資する関連手続きが現在進められているという。中国人民銀行(中央銀行)は、両国の貿易取引で日本円と人民元の使用を促し、人民元と日本円による直接取り引き拡大、人民元と日本円の債券市場の健全な発展を支援するほか、日本企業が東京や他の海外市場で人民元債券を発行したり、日本の国際協力銀行(JBIC)が中国国内で人民元債券を発行するのを支援する方針を明らかにした。
中国国際問題研究所の曲星所長は別の見解として、日本のねらいは債務危機の分散だと指摘。日本の学界では今後、長期的にドル安が続くという意見で一致している。日本の投資家のドルに対する自信が揺らいでいるということだ。日本の外貨準備資産の多元化または過剰なドル投資の回避は早い時期から進められているが、ドルに代わる通貨がないため、日本はなかなか「ドルの落とし穴」から逃れられずにいる。
ただ日本の中国国債保有は、人民元の国際化の重要な進展につながる。「中国が日本の中国国債購入を認可することで、日本に流入する人民元資金に投資ルートを提供し、日本の対人民元需要が高まり、人民元の国際化が促される」と王氏は指摘する。一方変動相場制の下で、日本が中国国債を購入すれば、海外資本が流入して人民元切り上げ圧力や外貨準備高が拡大し、中国のインフレ圧力や中国通貨当局の財政圧力(中国外貨準備の収益率が国債の利息を大きく下回る)が増す可能性がある。そのため人民元相場の弾力性が低く、大規模な対外投資力を欠いている現段階では、中国国債市場の対外開放は、国内のマクロ経済の安定に衝撃を与えないためにも一気にではなく、順を追って進めるべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月26日