資料写真:ヨーロッパの弾道ミサイル防衛(MD)システム
日本政府は27日、武器輸出3原則の緩和に踏み切った。これによって日本が開発に参与した弾道ミサイル防衛(MD)システム部品の欧州向け供給の道が開かれる。欧州向けにSM-3艦載ミサイルを輸出するほか、軍事支出が世界で6番目に多い日本の軍事予算が拡大されるだろう。ロシアの情報サイトは27日、日本は北大西洋条約機構(NATO)への道を歩み出したと伝えた。
日本は1967年から実施してきた武器輸出禁令を緩和した。これまで日本は米国としか協力できなかったが、今後は協力の範囲を拡大する方針だ。欧州の弾道ミサイル開発計画参加のチャンスを逃さないための措置だという声もある。
日本と米国の協力はこれまで中断したことはなかった。米国の計画では、SM-3迎撃ミサイルは欧州の弾道ミサイル防衛(MD)システムのカギになるはずだと見込んでいる。ただ日本の規制が欧州向けミサイル供給の課題となっていた。それが法律を改正したことで、米国とだけではなく、欧州や他国とも武器開発分野における協力が可能となった。
日本は最新決定で、政治的要素と経済的要素のどちらをより重視しているのか?日本の産業界は国際市場でシェアを獲得するため武器輸出の合法化を求めてきた。ロシア政治研究センターのエフセーエフ主任は、経済的動機が重要な役割を果たしているとの見方を示す。「経済的要因が非常に大きい。日本は現在極めて困難な状況に置かれている。MDシステムの法的枠組みにおいて武器を売却すれば経済利益が得られる」という。
とはいえ、政治的要素も見逃してはならない。ロシアの日本研究センターの主任は「日本は新しい盟友を求め、旧盟友との関係を強化しようとしている。まず米国との軍事同盟を強化したいはずだ。特にアジア太平洋地域の安全保障情勢が不安定な状況においては日本にはこの同盟が必要だ。中国の軍事的脅威と金正日総書記死去後の朝鮮半島情勢に日本は不安を抱いている。武器輸出緩和で日米同盟に対する忠誠が示されるはずだ」と指摘する。
専門家はこうした一連の流れから、日本とNATOの接近という方向性を見て取る。日本とベルギーとの親密な協力がNATOのアジア太平洋地域への浸透を後押しするだろう。日韓だけでなく、豪州、フィリピンも参加するグローバルなMDミサイルシステム構想の実現も遠くはないだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月30日