ワリヤーグを凌ぐ中国の071ドック型揚陸艦8隻

japanese.china.org.cn, February 22, 2012
 

ロイター通信はこのほどDavid Lague氏の文章を掲載、米国軍費削減に対する評価を行い、更に中国海軍071ドック型揚陸艦についても討議し、現在、外界の注目は全て試験中のワリヤーグ号に注がれているが、軍事アナリストによれば、中国海軍の2万トン級071ドック型揚陸艦の規模拡大の方が、中国の世界における影響力に、より直接働きかけることになるという。

外国メディアの報道によれば、予算削減が間近に迫り、ペンタゴンは米海軍規模縮小について今のうちから準備を始めなければならない状況にある。その一方で、中国は、海上強国建設策の一つとして、更に性能のいい新型戦艦の建造を加速させている。中国が計画する071型軍艦の建造数は8隻に上り、さらに、その規模や性能をレベルアップさせた揚陸艦の設計にも着手しているという。

ロンドン国際戦略研究所海上安全研究員Christian Le Miere氏は、次のように語る。大型強襲揚陸艦は、その国の軍事力に対する欲望を如実に反映するものである。一連の流れによって、「外科手術」的行動を展開しようとする国には、強襲揚陸艦が必要となるのだ。

アジア太平洋、海上情勢緊迫の加速

中国が海軍建設に大きな力を注ぐ今、アジア太平洋の海上では、日々、その緊迫を増しつつある。アジア太平洋地区は、今後十年以内で、世界の主な地理政治における焦点の一つとなるだろう。

中国の軍事策定者は、これまで台湾海峡における衝突のリスクに重点を置いてきたが、このところ、中日間では、東中国海の島所有権を巡って激しい論争が巻き起こり、ベトナム、フィリピン、その他関係国は、中国が主張する南海主権に反発している。

また、米海軍がアジア太平洋戦域の「海上十字路」に新型強襲揚陸艦、即ち「沿海域戦闘艦」を配備することを宣言、シンガポールやフィリピンに駐屯予定である。 

世界最大の船舶製造国

外国メディアの記事は次のように伝えている。情報によれば、先月末、中国海軍第4隻目となる071型ドック型揚陸艦が上海滬東造船所で入水した。これは、中国で研究開発された中では最大クラスの戦艦である。中国海軍は8隻に上る071型軍艦を配備すると見られ、このタイプの揚陸艦は、800名の兵士及びホバークラフト、装甲車、中型輸送用ヘリコプターを搭載できる。第一艦「崑崙山」号は2006年に入水、インド洋に(護衛として)配置されたことがある。また、この5ヶ月で、第三艦と第四艦の建造進度が加速されたようだ。

軍事専門家はこう指摘する。中国海軍にとっては、国の商業的造船工業の繁栄が、新しい艦艇の体積や性能のレベルアップを強力に後押ししている。2010年、中国は韓国を越えて、世界最大の船舶製造国となった。業界の専門家によれば、入水する給油船、コンテナ船及びその他船舶の更なる大型化、複雑化、専門化に伴い、中国国営造船所の技能や技術は着実に向上していくことになる。過去20年以上に渡る軍事費支出の急速成長の下、中国造船技術は、解放軍海軍を時代遅れの沿海防衛型部隊から外洋海軍(blue water navy)に一新させ、太平洋及びインド洋への影響力を高めつつあるという。

また外国メディアによれば、現在、中国最新の潜水艦には全て最新の防空武器や遠距離対艦ミサイルが装備されているという。ペンタゴンが国会に提出した2011年中国軍事力報告書には、解放軍海軍が主力戦艦約75隻、潜水艦60数隻、中型及び大型水陸両用上陸艇55隻及び小型、ミサイル高速戦闘艇約85隻を所有していると書かれている。

中国の軍事策定者は、次のように語る。エネルギー及び原材料の輸入依存度が拡大する一方の貿易大国にとって、海上パワーを高めることは、国家安全においてとりわけ重要なことである。人員、資産及び航路の安全も、中国経済の発展にとって非常に重要である。だからこそ、中国には強大な海軍パワーが必要なのである。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年2月22日