資料写真:橋下徹大阪市長
日本で年に1度行われる「理想の上司」ランキングが発表された。最近人気の橋下徹大阪市長が女性からの得票率が低く、上位10位に入らなかったことに注目が集まった。
ルックスがよく、魅力抜群の橋下市長は元弁護士で、一時期テレビでも活躍。2011年末に20万票の大差で民主、自民、共産の三党が支持する平松邦夫氏を破り、大阪市長に当選した。彼が率いる「大阪維新の会」は日本政界で今最も注目されている第3の政治勢力。橋下氏個人も上昇気流にのった政界のスタートと目され、一部のメディアは将来日本の首相になる可能性があるとまで推測する。
そんな若くて立派な人物であれば、多くの女性の目に魅力ある男性とうつるはずだが、「理想の上司」ランキングで橋下氏がなぜ女性から人気がなかったのか?
表面上は、橋下氏の決断は女性の彼に対するイメージに影響を与えている。最近「大阪市服務規律刷新 プロジェクトチーム(PT)」を設置し、政府職員の入れ墨は公務員のイメージを損なうとして、市政府のすべての幹部職員の入れ墨を調査、男女問わず入れ墨を入れていないか申告させた。これに対し、「どこが公務員のイメージを矯正するだ。暴力団撲滅を名目にしたプライベート捜査だ」との批判があがった。
表面的な不満の背景にはより深い懸念が隠れている。橋下氏は強い決断力と行動力の持ち主だが、徹頭徹尾の実用主義でもある。彼が率いる大阪維新の会が提案した「維新八策」は民主、自民両党の衰退を背景に、行政改革の名目で民衆を引き付け、各党派勢力を抱き込み、自らの政界における影響力を高めるためのものだ。橋下氏が実際に行っているのは改革ではなく、権力闘争だという率直な指摘もある。
最も警戒すべきは、橋下氏が持つ独裁傾向だ。彼はかつて公の場で「日本の政治に欠けているのは独裁だ」と吹聴した。大阪市長に就任後、前市長の側近をすべて追いやり、前市長が推進していた政策の多くを廃止した。彼のこうした行動に、谷垣自民党総裁は「日本の軍部、ヒトラー、ムッソリーニの勢力が台頭した時代の状況を連想させる」と警告。ファシストならぬ「ハシスト」というあだ名を付ける人まで出てきた。谷垣総裁の政治ライバルへの攻撃との声もあるが、橋下氏を代表とする日本の新世代の政治勢力が日本の政界と社会にもたらすものがより大きな不確定性であることは否めない。それは生活の安定を望む日本人女性にとって、あまり望ましいものとはいえないかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月29日