◇日本に100近い新右翼組織が現れる
日本の各大都市の街頭でよく見かける黒塗りの大型宣伝車。旧日本軍の旗を掲げ、軍歌を大音量で流している。こうした人たちは日本の伝統的な右翼組織で、「街宣右翼」と呼ばれる。その多くが暴力団に所属し、警察から長年監視を受けているため、一般市民の間でもよくないイメージがある。こうした新右翼組織のメンバーはどういう人たちなのか?彼らの目的は?その実際の情況を探るべく、環球時報の記者が最も活発に活動する新右翼組織を取材した。
大まかな統計によると、日本には近年民間団体や議員連盟など100近くの右翼組織が出現。比較的活動が活発な新右翼組織の中に「在日特権を許さない市民の会」や「 頑張れ日本!全国行動委員会」などがある。記者が「在特会」のホームページを確認したところ、住所も電話番号もなく、唯一の連絡方法としてメールアドレスがあり、そこにメールを送ってみた。数日後同会のスポークスマンという人物からようやく返信が届いた。そのメールには、同組織がデモを行う際でも、私の許可がない限り、取材は絶対にしないこと。私の許可が出るまで必ず現場で待つと約束すること。さらに、彼を単独取材したい場合、必ず「取材謝礼金」を用意することとも記されていた。日本滞在が長い記者が取材対象者から謝礼金を請求されたのは初めてのことだ。記者が警察関係者に問い合わせたところ、同会は単純な政治組織ではなく、暴力団との結びつきがあり、幹部はかつて暴力団組織の資金調達で逮捕されたことがあるという。同会はまた、日本最大の右翼団体「日本青年社」などの街宣右翼と協力関係にあり、警察当局から排外主義団体に認定されている、かなり危険な団体だ。警察関係者の忠告で記者は取材を諦めた。
◇新右翼の勃興で「平和」から遠のく日本
新右翼勢力の勃興に、世界各国のメディアが憂慮している。韓国の東亜日報は、日本の新右翼の勃興は、日本が極端なナショナリズムに転向し、平和憲法がなくなるか改正され、最悪の場合、日本が核兵器の追求を開始するのではないかと人々に懸念を抱かせていると伝える。米ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授は英フィナンシャル・タイムズ紙で、日本の政治は20年の低い経済成長を反映しており、若者がより偏狭になっていると指摘した。2000年以降、米国の大学に留学する日本人の数が50%以上減った。作家の麻生晴一郎氏も「今の日本の若者は海外に留学したがらず、日本が一番いいと思っている」と指摘する。こうした閉塞感がネット右翼を繁殖させる土壌を提供し、最も懸念される日本の社会問題の一つとなっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年12月4日