「史上最高値の戦闘機」といわれているF-35は研究開発から問題が絶えなかった。オイルタンクからの油漏れ、プログラムソフトのバグなど問題が次々と露見した。最近、F-35はまたキャビネットから煙が出てエンジンブレードにクラックが発生する問題が出ている。中でもエンジンブレードのクラックは大きく余波を呼んでいる。
エンジンは戦闘機の核心部品で、その作業状態と戦闘機の駆動外形と密接な関係がある。米国産のF-22、F-35が第四世代ステルス戦闘機を代表する以前は、一般的な戦闘機はみな細長い機体でその目的は空中作戦にいかに適合するかだった。だが、F-35のようなステルス機は機体は相対的に短く太めで、横幅面積がかなり広くなっている。ロッキード・マーティン社によれば、このような設計は戦闘機がより優秀な加速性能、より大きな武器庫を搭載し、外部からの飛行抵抗を減少するためであるという。だが、もう一方で搭載抵抗は減少するが、機体全体にかかる抵抗は増していることから、F-35に使用されているF135エンジンがさらされる環境はさらに過酷になっている。
F135エンジンの問題の背景には、プラット・アンド・ホイットニー社(P&W社)とゼネラルモーターズ社(GM社)間のエンジン戦争がある。現在、世界で最も推力が大きい航空機エンジンであるF135エンジンの出力でかかる損傷は非常に深刻だ。2007年から2009年にかけF135エンジンの研究開発を行ってきたP&W社はこのエンジンの過熱問題に悩んできたが、とうとう徹底的な解決法を見いだせずにいる。先日、米国でGM社主導のAdvent第六世代エンジン計画が発動したばかりだが、この研究の重点課題も推力の大きいエンジンの冷却におかれている。
しかし、GM社主導のAdvent第六世代エンジン技術がF-35に使用されるかどうかは、非常に繊細な問題だ。米国の既得権益の争奪にかかわっている。米国内ではF135エンジンに問題があるという専門家は多いものの、政府や軍幹部ではだれも公式にF135エンジンを突き詰める者はない。なぜならこれは米国国会で一部の政治勢力から激しい反発が予想されるからだ。技術問題の背景に存在するこのような利益の駆け引きが、米国の国会、政府、軍関係者のF-35に対する態度をあいまいなままにしており、技術開発に深刻な影を落としているのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年3月25日