メディアは昨日、「世界最強」と呼ばれる米海軍原子力空母「ジェラルド・R・フォード」(以下、フォード)がほぼ竣工し、11月に進水すると報じた。米軍第3世代原子力空母のフォードは着工日より注目を一身に集めた。米海軍とニューポート・ニューズ造船所かは2008年9月10日、総額51億6000万ドルの契約を締結し、フォードの建造作業を正式に開始した。2009年11月13日には竜骨が設置され、今回さらに間もなく進水と伝えられた。予定によると、フォードは早ければ2015年に就役することになる。中央人民広播電台・中国之声の「新聞縦横」が伝えた。
建造が急ピッチで進められているフォードの全幅は40.8メートル、飛行甲板は全長が332.8メートル、幅が78メートルに達し、排水量は10万トンに達する。これはまさに海の巨大要塞である。世界最強の空母と呼ばれるフォードは、どれほどの性能を実現したのだろうか。米軍にとって、どのような戦略的意義を持つのだろうか。
米海軍はこれまで次世代空母を設計する際に、完全な「ゼロ」から新たな設計を行っていた。しかし今回のフォードは、米海軍主力空母「ニミッツ級」をベースとする改良艦だ。海軍情報化専門家委員会主任の尹卓氏は、動力システムからカタパルトに至るまで、フォードは「海上の覇者」としての地位にふさわしいと分析した。
尹氏:フォードの情報化は非常に高い水準に達しており、瞬間的により高い攻略を提供できる。これによりレールガンや粒子ビーム砲、および電磁式カタパルトが正常に使用できる。また電磁式カタパルトを採用したため、今後は多くの無人機による作戦が可能になる。それから電子妨害対抗設備、一定のステルス設備が搭載されている。航空機の格納庫、メンテナンスルーム、武器搭載や給油などの各作業エリアがより合理的に設置されている。
フォードは蒸気式カタパルトを採用せず、より先進的な電磁式カタパルトを採用した。これによりフォードは軽いものならば1−2トンの、重いものならば20−30トンの航空機を発艦させられる。米海軍の推算によると、75機の艦載機を搭載できるニミッツ級は、3日間の作戦期間内に、毎日248の目標を攻撃できるという。同等数の艦載機を搭載できるフォードの攻撃目標数は、2000以上に達する見通しだ。その他の武器の使用を考慮すると、フォードの総合作戦能力はニミッツ級の3倍に達する。尹氏は、フォードがこれほど高く位置づけられているのは、米国の世界戦略に合致させるためだと分析した。
尹氏:米国の空母艦隊を中核とする武力の遠距離投入能力は米国にとって、単に距離が近い、遠いといった問題では決してない。実際には世界に到達でき、世界に投入でき、世界で作戦を展開できる一つの基準だ。米国は依然として自国を世界覇権型の国家として軍事力全体の調整を行っており、世界各地で干渉できるよう求めている。これは米国の国家戦略と軍事戦略が合致する部分だ。
米国の高官を含む関係者は近年、「空母は時代遅れ」、「空母は不要」と大げさに取り沙汰している。しかし米国政府はその行動により、空母に対する真の態度を示した。米軍は2058年までに、フォードの同級艦を10隻建造することを計画している。尹氏は、空母保有は世界海軍大国の象徴であり、米軍の戦略方針は各国をリードすると指摘した。
尹氏:米国の軍拡に対して、経済は重大な制約の作用をもたらす。フォードの調達費はニミッツ級を大幅に上回るが、米国はいかに困難であっても空母艦隊というモデル(フォードを含む)を捨てようとしないだろう。米国はフォードの建造と就役を決定した以上、その数が1−2隻に留まることはない。11の空母艦隊を維持できなくても、8−9もしくは7−8の空母艦隊を維持することは可能だ。米国は現在も世界一の(軍事)大国であり、フォードによりこの地位を数十年間維持できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月8日