中国は原発など環境保護に有益なクリーンエネルギー事業を進める方針だ。これは減速している経済成長の安定とともに、都市の大気汚染対策ににつながるとの指摘がある。
英ロイターが21日伝えたところによると、中国は原子力発電所や水力発電所の建設など大規模なエネルギー事業をまもなく開始する。これらのインフラ建設は中国経済の鈍化を食い止めるだろう。中国当局は今月初め、「短期的で強力な刺激策は取らない。代わりに、中長期的に健全な発展により重点を置く」と強調した。中国経済は投資・輸出駆動型から消費牽引型へ移行しつつある。福島原発事故後、中国は原発建設を一時中止した。中国で建設中の原発事業の発電容量は世界の発電容量の40%強に相当する。大気汚染は中国の主要課題で、中国は電気自動車の開発や基準に達していない石炭火力発電所のCO2排出量を減らす方針だ。
米ブルームバーグは、「中国は世界で持続可能エネルギーの最大の投資国であり、太陽エネルギー、風力発電所、電力をクリーンエネルギーに変える事業に取り組むと繰り返し表明している。中国の行動は、新しいエネルギーを模索するという中国の約束を強化するもので、空気の質や水供給の問題改善に向けて努力している」と報じた。同社は国際エネルギー経済学会のデータを引用し、中国大陸部で稼動中の原発事業は20件あり、このほかに28件が建設中と伝えた。
中国の原発事業再開に、フランスのメディアや工業界も注目している。同財政省の高官は「環球時報」の記者に、「フランスは中国の原発事業に貢献したい。フランスの電力生産量の75%以上が原子力発電で、原発の総発電量は米国に次ぐものだが、発電能力全体における原発の割合は世界一だ」と話した。仏紙リベラシオンは昨年12月の仏首相の訪中時、フランスは2025年までに原発生産の割合を総発電量の50%にまで削減する計画を策定したが、依然として欧州最大の原発国家で、原発は一国のエネルギー自給にとって重要な戦略的意義があると指摘した。フランス国立原子力科学技術研究所(INSTN)のバレ教授は、「フランスの電力生産の75%は原発だが、中国の原発の割合は約2%にすぎない。そのためまだ大きな将来性がある」との見方を示す。
厦門(アモイ)大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任は21日の「環球時報」の取材に、「政府は東部沿岸地域で新たな原発重点事業をスタートすると発表したが、安全面を考慮し、事業の許認可には慎重だ。技術、安全性、世論など非常に多くの問題を考慮しなければならない」と話した。中国エネルギー網の韓暁平主席情報官も「技術的な問題を解決する他に、企業は世論の圧力をうまく処理し、安全性を重点中の重点とみなし、政府も世界最高の安全基準の採用を求め、企業の良好な発展を促す必要がある」と指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年4月22日