中国の4隻の先進的な軍艦が、米国主宰の環太平洋合同演習(リムパック)に初登場する。中国の専門家は、「リムパックへの参加は、現代的な作戦の経験が不足している中国海軍にとって得難い観察・訓練・学習の経験であり、かつ中米両軍の透明度を高める善意ある姿勢であり、緊張が続く中米両国・両軍の関係を和らげることができる」と指摘した。6月6日付のシンガポール華字紙『聯合早報』が伝えた。
海外メディアによると、今年のリムパックは6月26日に始まり、8月1日の終了を予定している。共同通信社の報道によると、中国は日本・韓国・インドを含む23カ国と共に演習に参加するが、中国海軍と海上自衛隊には合同訓練の計画がないという。河野克俊海上幕僚長は、「中国との二国間関係には進展がないが、中国が多国間枠組みに加入することを歓迎する」と述べた。
米太平洋艦隊のウェブサイトはこのほどトップページで、リムパック2014に参加する各国の艦艇のリストを公開した。中国海軍の艦艇には、「中華神盾」と呼ばれる052C型ミサイル駆逐艦「海口号」、054A型ミサイル護衛艦「岳陽号」、補給艦「千島湖号」、病院船「和平方舟号」が含まれ、開催国の米国に次ぐ規模を持つ艦隊となる。
中国のアナリストは、「中米の軍高官が東中国海・南中国海の島嶼を巡る係争で激しく対立した後に、中国海軍は『虎穴』に先進的な戦艦を送り込むことになる。これは中国の自信を示すと同時に、中米関係に矛盾があっても協力が可能であり、誰かが想像するほど悪い状態には陥っていないことも意味している」と指摘した。
軍事専門家の宋忠平氏は、「リムパックの演習場所には、ハワイ沖と米国西海岸沖が選ばれた。中国海軍にとっては不慣れな海域であり、中国の軍艦の性能、兵士の訓練水準を調べる絶好の機会だ。中国は初参加にも関わらず、主力戦艦の052C駆逐艦、054A護衛艦を派遣する。これは軍が訓練を通じて、米国などの海軍の先進的な訓練方法を学び、中国海軍の訓練水準を高めようとしていることを意味する」と語った。
宋氏は、「リムパックは、従来の安全と新しい安全に分かれる。従来の安全には、武器を使用した作戦の訓練が含まれ、米国は日本などの同盟国しか参加させない。米国がこれに中国を参加させることはなく、近距離での観察も許さない。中国は新しい安全に含まれる対テロ作戦、海賊取締、人道主義に基づく救助などに参加する。これには海の『遮断網』の構築、シージャックの被害にあった船の救助や乗船後の検査などが含まれる」と述べた。
ネットユーザーは、米国が演習の場を借りて、中国軍の周波数、レーダー、武器の性能といった重要なデータを収集することを懸念している。宋氏は、「中国軍は演習中に機密を維持し、米国の軍艦の重要なデータも中国に対して機密にされる。しかし全体的に見て、米国が中国をリムパックに招待したのは、軍事透明化を図る善意によるものだ。中国が先進的な軍艦を派遣するのも、この透明化に対する善意ある反応だ。米国、さらには日本の海軍と比べ、中国海軍の作戦・訓練・後方補給能力は劣っており、謙虚かつ善意を持って学習し、この差を狭める必要がある」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月9日