中国外交部は10日、「中国は南京大虐殺と日本軍による慰安婦強制連行に関する貴重な歴史資料を、世界記憶遺産として国連教育科学文化機関(ユネスコ)に登録申請した」と発表した。日本は11日に、申請の撤回を求めた。中国外交部の華春瑩報道官は同日、「中国は日本側の無理な要求を受け入れられず、申請を撤回することもない」と回答した。
国連、中国の申請を受理
ユネスコ、7月中旬に中国の申請内容を公表
ユネスコは昨日『新京報』に対して、日本の慰安婦強制連行と南京大虐殺に関する資料を、中国が世界記憶遺産に登録申請したことを確認したと発表した。
ユネスコの広報担当者のイザベラ氏は新京報の記者に対して、「中国が今回登録申請した資料の具体的な内容については、7月中旬にユネスコの世界記憶遺産のウェブサイト上に掲載する」と語った。
ユネスコは世界記憶遺産の審査に関与せず、仲介者として申請者と審査委員会の連絡を担当する。独立した専門家は一連の審査基準に基づき、申請内容の真実性・重要性・独自性を評価する。
イザベラ氏は、「審査の過程において、投票は必要とされない。ユネスコは申請を受けると、まず申請内容を登録委員会と技術委員会に送り、委員に審査させる。審査結果は、14人の委員による国際諮問委員会に送られる。同委員会は最終的な推薦意見を形成し、委員長からユネスコの事務局長に提出される」と説明した。
ユネスコは1992年に世界記憶遺産事業を創設し、世界記憶遺産を設立した。世界記憶遺産は、消滅の危機に瀕している記録、かけがえのない資料遺産の保護を目的としている。現在までに世界の数百の文献資料が登録されており、人類の永久の記憶となった。
韓国、来年に慰安婦証拠資料を申請へ
2017年までに世界記憶遺産登録を目指す
中国政府が単独で慰安婦関連資料を世界記憶遺産に登録申請したことを受け、韓国外交部の魯光鎰(ノ・グァンイル)報道官は、「韓国の申請と中国の申請は別件だ」と語った。韓国の高官はこれまで、韓国は2015年に慰安婦関連資料を提出し、2017年までに世界記憶遺産への登録を目指すと表明していた。
韓国の慰安婦登録人数は237人であったが、生存者は現在54人のみとなっている。韓国政府は昨年末、3060件の慰安婦関連資料を、「国家指定記録」として永久保存すると発表した。これには慰安婦の証言、心理検査の内容、記者会見と抗議集会の映像、画作や遺物などが含まれる。これらの資料は、韓国・光州の慰安婦が居住した「共有の家」に保存される。
韓国女性家族部の趙允旋(チョ・ユンソン)長官は今年3月、国連婦人の地位委員会(CSW)第58回会議に出席した際に、「韓国は中国や東南アジアなどに分布している、日本軍による慰安婦強制連行の史料を積極的に収集しており、2017年にユネスコ世界記憶遺産への登録を目指す。韓国政府は2015年に、関連資料を正式に提出する予定だ」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月12日