日比の戦略的パートナーシップ その裏とは

japanese.china.org.cn, June 25, 2014
 

中国とASEAN諸国は6月24日にインドネシアで、「南中国海における関係国の行動宣言(DOC)」第11回共同作業部会会議を開催した。中国は関係国に対して、同宣言を全面的かつ効果的に履行し、海の実務的な協力を前進させ、「準則」の制定に向けた協議を着実に推進するよう求めた。

関係国が力を合わせ、地域の平和と安定に取り組む重要な時期に、フィリピンのアキノ大統領が嬉々として訪日し、安倍晋三首相と仲睦まじい友好ムードを演出した。いわゆる「戦略的パートナーシップ」の強化という出し物により、地域の平和と安定に新たなリスクをもたらした。

安倍政権は平和憲法の改正に取り組んでおり、戦後の国際秩序から離れようと画策し、地域内の諸国の不安と懸念を引き起こした。かつて日本の侵略を受けたフィリピンのアキノ大統領は、日本は常に同情心を持ち、国際法を遵守しており、積極的かつ正面から地域と世界に貢献していると言ってのけた。多くの国はこの説に違和感を覚えており、まったく異なる観点を持っている。

日本国内で物議をかもしている集団的自衛権の解禁に対して、フィリピンの指導者は両手を上げて賛成を示した。フィリピンはさらに「言外の意味」を込めて、「平和憲法は日本の行動能力を制限している。集団的自衛権を解禁すれば、日本は攻撃を受けた同盟国の保護などで、より大きな役割を果たすことができる」と表明した。

日本も、フィリピンの精一杯の応援に返礼した。フィリピンが中国の反対を顧みず、南中国海の係争の仲介を求める中、安倍首相はアキノ大統領といわゆる「法的ルール」の重要性を確認した。東中国海と南中国海の緊張情勢を引き起こした張本人である両国は、地域情勢の悪化を見ながらも自身の行為を反省しようとせず、いわゆる「調整を強化中」と大げさに発表した。日本は先ほど、フィリピンに10隻の巡視船を提供すると表明していたが、安倍首相は今回の会談でもこの承諾を繰り返した。これが両国のいわゆる「調整」なのだろう。

フィリピンと日本の両国関係は、近年異常とも呼べるほど良好になっている。この1年間に、両国は首脳会談を4回実施し、頻繁に交流している。今回の会談で、両国の指導者は「戦略的パートナーシップ」の発展について協議した。比日は、両国は幅広い分野で協力できると宣伝し、両国関係のバランスのとれた全面的な発展の健全な予想図を張り出した。しかしこの戦略的パートナーシップは、自国の利益のためになるものだけを求める両国が合意したものにすぎない。上述した内容を分析すれば、両国関係が世界の公平・正義を基盤とするものでは絶対にないことが分かる。両国間には、人に言えない企みと悪事の方が多くある。

さらに馬鹿げているのは、比日が自らに平和の守護者という高尚なイメージを持たせようとしていることだ。両国は、アジア太平洋をより平和で安全にすると称したが、地域の秩序を自ら乱しているのはこの両国だ。正義感のある国と人々は、両国の結びつきと協力に警戒せざるを得ない。

見識のある人ならば、ぐるになっている比日の狙いが、中国妨害にあることは一目瞭然だ。中国はいかなる国に対しても、自国の主権・安全・利益を損ねることを許さない。中国にはその自信と意志がある。正義に反する者のすべてが壁にぶつかり失敗に終わることは、歴史によって証明されており、今後も証明され続けるだろう。(筆者:蘇暁暉 中国国際問題研究所国際戦略研究部副主任)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年6月25日