正義は必ず悪に勝つ――中国人民抗日戦争勝利記念日を記念して

japanese.china.org.cn, September 2, 2014
 

9月3日は、中国人全員が心に刻み、大いに気を吐く日である。中国人は抗日戦争のため大きな民族の犠牲を強いられ、死亡者数が3500万人以上に達したからだ。抗日戦争の勝利は、中国人が日本帝国主義の侵略に対抗した正義の戦争、世界の反ファシズム戦争の重要な構成部分、中国が近代で初めて外国の侵略に完全に勝利した民族解放戦争だ。

しかし中国が法制度化という形式により、中国人民抗日戦争勝利記念日を厳かに記念しているのとは対照的に、中国抗日戦争の敗戦国である日本では、安倍首相を始めとする右翼・保守主義勢力が侵略の歴史を修正しようと策を練り、日本がかつて発動した、中国などのアジア諸国に痛みと災いをもたらした侵略戦争を抹殺しようとしている。

中国人民抗日戦争勝利69周年記念日は、正義が必ず悪に勝ち、正義が人の世で永遠に存在し続けるという真理を証明する。

甲午戦争(日本名・日清戦争)から満州事変、盧溝橋事件に至るまで、日寇の侵略者が中国の約半分の面積で横行した。図に乗った日寇の気炎は、中国全土を併呑し、中華民族全体を征服する勢いだった。しかし歴史は、中国人に気骨があり、幾多の苦難を経て、日本軍国主義に完全に勝利し、甲午戦争より日本の侵略を受けてきた恥をすすいだことを証明している。

現在も日本軍国主義の魂は消えておらず、中国とアジア太平洋を軍国主義が蹂躙した血なまぐさい歴史を「複製」し、日本軍国主義がかつてアジア太平洋で覇を唱えたいわゆる「栄光」を取り戻そうとしている。しかし時代は変わり、歴史を重複し、時の流れを逆戻しにすることはできない。日本の右翼・保守主義勢力の軍国主義復活の夢は、しょせん夢幻に過ぎない。

現在の中国は新たな中国、国力が日増しに拡大する名実相伴う世界の大国であり、120年前の弱く貧しい清朝末期の中国ではない。中国人は中国共産党の指導の下、中華民族の偉大なる復興という中国の夢を実現するため奮闘している。中国は2010年に日本を抜き、世界2位の経済体になった。中国経済が発展を続けるほか、中国の国力を示す各種指標も大きく上昇した。中国の国力が発展を続ければ、日本軍国主義の「幽霊」の暗躍を抑制する最良の力になる。

世界の発展の大きな流れは、依然として平和と発展だ。平和を求め、発展に順応し、発展を促進することが、世界各国の正義を求める人々の共通の呼び声となっている。日本の右翼・保守勢力は侵略の歴史の「魂」を呼び戻し、侵略の戦犯の「汚名」を返上しようと躍起になっている。これは世界の発展の大きな流れに背くものだ。この歴史の流れに逆行する危険な勢力は、世界の平和を愛し発展を求める国と人々に受け入れられない。日本の右翼・保守勢力の行為は、一時的に一部の真相を知らない日本人を騙すことができるが、長い時間をかけずとも、右翼勢力の夢幻は永遠に夢幻であることが証明される。

世界は不義の戦争を反省し、侵略戦争を唾棄し、ナチズムもしくは軍国主義的思想の復活を警戒している。これは国際社会の共通認識になっている。侵略戦争を唱える、もしくはナチズムと軍国主義の「回帰」を求める思想と動向は、国際社会から批判される。ドイツは第二次世界大戦のナチズムの発祥地であったが、戦後は心から悔い改め、ナチズムを唱え歴史を修正する行為を法によって厳しく禁じた。ドイツでは、ナチズムの提唱、ヒトラーなどの戦犯の歴史修正や汚名返上などの思想・行為は、刑事責任を問われることになる。ナチズムはドイツで「復活」の空間を失っている。第二次世界大戦の侵略戦争を心から懺悔することが、ドイツの公民の義務となっている。ドイツでは歴史の真相を追究し、ナチズムの罪を徹底的に暴露することが、正常な社会の常識だ。仮にナチズムの暴行を隠し、美化しようとしならば、それは最大の罪になる。

ドイツは過去のナチズムの罪深い歴史と徹底的に一線を画した国であり、国際社会の侵略の歴史を反省するモデルである。同じく侵略戦争を発動した敗戦国である日本も、ドイツにならい罪深い侵略の過去と勇敢に別れを告げるべきだ。

日本国内でも、戦争を反省し、侵略の歴史の再演を阻止することが、多くの有識者の共通認識になっている。日本の右翼・保守勢力は歴史書き換えにより、すべての日本人の口を封じ、加工した歴史観により国民を洗脳しようとしている。しかし今は情報化の進んだ21世紀であり、20世紀前半の情報が規制されていた時代ではない。日本の右翼・保守勢力の手法は、「一葉目を蔽えば泰山を見ず」、「舟を刻みて魚を求める」、「木に登り魚を求める」ようなものだ。

日本の侵略者は69年前、正義を代表する反ファシズムの中国の前で降伏文書に署名した。69年という時はあっという間に流れたが、日本の中国侵略の血の跡は、依然として中国人の心から拭い取られていない。中国人は今日、中国人民抗日戦争勝利記念日を厳かに記念するが、これは側面から日本の右翼・保守勢力に対して、「中国人に勝つことはできない」と警鐘を鳴らしている。

軍国主義によって残された毒は、徹底的に粛清されるべきだ。これは世界の発展の大勢を見た上での結論だ。軍国主義の消えぬ魂は、アジア太平洋に懸念と不安をもたらし、日本にも損失をもたらす。

安倍首相は「美しい日本」の建設を責務としているが、この美しい日本の中身とは何だろうか?安倍首相はこれを明言しておらず、考えようともしていない可能性がある。

安倍首相が美しい日本の未来のために考えることのできる首相ならば、経済と国民生活を優先し、日本経済の再建のために力を尽くすべきだ。ドイツを師とし、アジアの侵略を受けた被害国と完全に和解する誠意を見せ、実質的な行動により日本が心から和解を求めていることを証明し、心の奥底から軍国主義的な思想を取り除き、日本国内の右翼・保守主義思想を抑制し、徹底的に粛清するべきだ。侵略の歴史に明確な結論を下し、再び「覇権国」になるという夢を捨て、誠意をもって平和な国になるべきだ。

(筆者:厖中鵬 中国社会科学院日本研究所の専門家)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年9月2日