日本の高齢化、一部の村が絶滅の危機に

japanese.china.org.cn, September 4, 2014
 

秋田県中部の上小阿仁村はかつて林業で栄え、全盛期には村民が200人以上に達した。しかし現在の定住人口は16人のみで、しかも全員が60歳以上の高齢者だ。中田吉穂村長は環球時報の記者に対して、「引っ越す力のある村民はみな村を後にした。古い家屋は修理されず、危険家屋になっている」と述べた。82歳の一人暮らしの高齢者は記者に対して、「子供は外で働いており、1年に1−2回しか戻ってこない。私はいつも一人で椅子に座り外を眺めて暇つぶしをし、テレビを見て畑を歩くこともある」と親しげに語ってくれた。上小阿仁村だけではない。環球時報の記者は、付近の村で中学校を目にした。校舎、体育館、運動施設が整っており、数百人を収容できるように見えた。しかし意外なことに、全校生は15人のみで、そのうち12人は将来村を離れて都市生活を送ると述べた。

上小阿仁村では高齢化が進み、村民が「絶滅」の危機に瀕している。日本政府も、積極的に対策を講じている。2009年より、青年や働き盛りの世代による高齢化地区の支援活動が、日本全国の各大都市で展開されている。日本政府は現地での1−3年の勤務を条件に、毎年350万円以上を支給している。中田村長は記者に対して、「政府は2人の働き盛りの男性を、村の高齢者の日常生活を支えるため派遣してくれた。彼らは買い物を手伝い、冬の除雪作業をする。高齢者が病気になれば、すぐに病院に連れて行く。村の人口減少は避けられず、村を離れようとする子供たちを止められないが、少なくとも目の前のことに取り組むことができる」と話した。

記者の調べによると、上小阿仁村の民間芸術、伝統劇の「八木沢番楽」は日本国内で有名だ。この文化遺産を継承するため、村の高齢者には付近の村の小中学生に八木沢番楽を教え、共に練習をし、定期的に現地の市民センターで公演するという義務がある。この活動は村に若者の活力を注ぎ、高齢者に楽しみをもたらし、伝統芸術の後継者を育てている。これは上小阿仁村の命の継承と言える。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年9月4日