安倍氏が首脳会談に再言及 専門家「中国の台頭は危険だという観点を改められるかが肝心」

japanese.china.org.cn, September 15, 2014
 

NHKが14日に放送した番組内で、安倍晋三首相を含む与野党の政治家が、日中首脳会談への期待を表明した。公明新聞は、「日本の日中首脳会談への期待値が高まっている」と報じた。中国の日本問題専門家の劉軍紅氏は14日、環球時報の記者に対して、「中日首脳が会談が行われるか、両国関係が首脳会談によって好転するかは、両国がどれほど心を通わせられるかにかかっている。特に日本が、中国の台頭は危険だという観点を改められるかが重要だ」と指摘した。

同番組のテーマは、「各党党首に問う いま政治がすべきことは」だ。安倍首相は番組内で、「日中は切っても切り離せない関係だ。中国は日本最大の貿易相手国だ。日本企業の対中投資は、1000万人以上の中国人の雇用機会を創出しており、(関係が緊張化すれば)両国の利益が損なわれる」と述べた。安倍首相は8年前の初就任時に、初めて訪問した国が中国であったことを振り返り、「11月に北京で開かれるAPEC首脳会議で首脳会談を実現するため、静かな努力を続けていく。日中はさまざまなルートを通じて調整中だ」と語った。

連立与党を組む公明党の山口那津男代表は番組内で、「与党と中国には多くの連絡ルートがあり、日中関係の発展に積極的な力を発揮している。先ほど自民党幹事長に就任した谷垣禎一氏は、2007年に習近平国家主席と会談している」と述べた。「日本新聞網」は、「谷垣幹事長は与党代表団の訪中を計画しており、APEC首脳会議期間の安倍首相と習主席の会談実現に向け地ならしをしている。公明党の井上義久幹事長も同行する。代表団は、中国の国慶節前後に訪中する予定だ。」と伝えた。与党の他に、民主党などの野党代表者も、NHKの番組に出演した。民主党の海江田代表は、「日中首脳が直に会談し、意見交換することには意義がある」と述べた。

 安倍首相は先ほどインドの首相と会談してから、間もなく南アジアを歴訪した。これらの会談の内容には、「中国けん制」が含まれていた。安倍首相は今になり、突然なにを伝えようとしているのだろうか?劉氏は15日、環球時報の記者に対して、「安倍首相は中国との緊張ムードを和らげようとした。安倍政権は日本経済に打つ手なしとなっており、日本企業が安倍首相を後押ししたと言える。日本は170兆円の国債を発行しなければ、経済に希望をもたらせない。アジア市場に目を向けると、これを手伝えるのは中国だけだ」と分析した。

しかし安倍首相の一連の手法は、対中関係改善の誠意を疑わせている。共同通信社の報道によると、安倍首相は14日、朝日新聞が慰安婦に関する一部の記事を撤回したことについて、「世界に向かって取り消していくことが求められている」、「事実ではないと国際的に明らかにすることを、われわれも考えなければならない」と述べた。朝日新聞は慰安婦問題での右傾を拒んだため、日本の右翼メディアから集中砲火を浴びた。

また安倍首相が本部長を務める宇宙開発戦略本部は12日、「宇宙基本計画」の改訂を決定した。共同通信社は、「安倍首相は中国の軍事力の強化などを受け、この決定を下した。新計画の草案では、中国の衛星攻撃実験、月探査プロジェクトおよび宇宙ステーションの建設推進計画が取り上げられた」と報じた。

劉氏は、「安倍政権が中国けん制を諦めることはない。それならば安倍政権の中国に対する態度は対立的になる。安倍首相が戦略的互恵関係に再度言及したことには、何の意義もない。互いに相手を信じないのであれば、経済協力を進められるわけがない」と指摘した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年9月15日