繁華街にこだまする中国語、帰りの旅客機はトランクを満載。国慶節の七連休で、日韓を訪れた中国人観光客は、驚異的な購買力を示した。日韓のメディアは、自国の小売業が中国人観光客の消費で業績を好転させ、活況を示していると報じた。
韓国紙・韓国経済は7日、「中国人観光客の連休中の消費額は、ロッテ百貨店で前年同期比87.2%増、新世界百貨で67.6%増となった。中国人観光客の間で最も人気の高い済州島では、銀聯カードの決済額が3倍に膨れ上がった」と報じた。朝鮮日報は、「中国人観光客のかつての観光スポットがソウルの明洞や、ロッテ百貨店、新世界百貨、南山だったとするならば、現在は韓国全土が賑わっていると言える。今年の連休中、釜山、清州、江原道に多くの中国人観光客が押し寄せた」と伝えた。
連休中、明洞のショッピング街では、中国語の歓迎の言葉や、「免税店より安い」などの販促情報があちこちに見られた。環球時報の記者は、中国語の話せるガイドに何度も話しかけられた。明洞の百貨店と免税店を兼ねるショッピングセンターでは、「中国人観光客の韓国小売業に対するけん引力」を実感できた。韓国人をターゲットとする百貨店は客もまばらで、多くの店員が手持ち無沙汰になっていた。外国人観光客に解放された免税店は賑やかで、一部のレジには10人以上の観光客の列ができていた。彼らのほとんどが、決済時に中国のパスポートを提示した。
韓国観光公社の下階にある中国語問合せセンターは、毎日60人ほどの中国人に情報を提供したが、隣の日本語と英語のカウンターを訪れる人は稀だったという。
日本政府の規定により、外国人観光客の免税商品の品目は10月1日より、家電と衣料品から食品・飲料品・化粧品に拡大された。この政策の影響を受け、日本各地で免税店が増加し、店内に中国人が押し寄せた。日本メディアは、「大型店にとって、中国人観光客を受け入れないのは困難になっている」と形容した。日本の某小売大手の役員は、「今年10月の中国人観光客数は昨年の2倍」と見積もっている。
日本経済新聞は、「中国の富裕層が、日本の個人消費を支える重要な力になった」と報じた。ニッセイ基礎研究所経済研究部チーフエコノミストの矢嶋康次氏は、「巨額の消費を行う中国人観光客は、日本国内経済を支える重要な要素だ。経済回復が遅れる地方にとって、いかに中国人観光客の受け入れ体制を整えるかが非常に重要になっている」と指摘した。
韓国政府は、中国人観光客の「売り場」としての地位には満足していないようだ。韓国観光公社の中国担当の柳漢淳氏は、環球時報の記者に対して、「仁川アジア大会は中国人観光客の単一的な目的を変える絶好の機会だったが、多くの中国人はこの大会に興味を持たなかった。中国人観光客の観光目的を拡大するため、韓国観光公社は中国人観光客を韓国の一般家庭に招くといった、特色ある活動を提供している」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年10月8日