砂漠化が深刻化している江西省南昌の贛江という川の古い河床でアスパラガスを栽培することにより、風害を防ぎ砂丘を定着させることができるだけでなく、経済的効果も収められるようになっている。バイオテクノロジー分野の陳光宇博士のこの面での研究成果は昨年EU(欧州連合)との協力プロジェクトに組み込まれた。専門家筋は、このことについて、アスパラガスを栽培する技術の出現はわが国の「赤色の砂漠」対策に喜ばしい未来をもたらしたと評している。
贛江の古い河床は両側に砂丘が延々とつながり、「赤色の砂漠」と言われている。南昌一帯の贛江の古い河床には十数万ムー(1ムーは6.667アール)の砂漠化した土地があり、全省の砂漠化土地面積の16%を占めている。近年この「赤色の砂漠」は南昌市区に接近し、特に冬と春の季節になると、さらに速いスピードで伸びている。
これまでの砂漠対策は湿地松、ハリエンジュなどの樹木を植えることであった。しかし、毎年多くの人力と物資を投入してきたが、活着率が低く、しばしば「毎年植え、毎年枯れ、春が過ぎると、枯れ枝ばかり」ということになった。
アスパラガスは旱魃に強く、根が深いところにおろし、砂漠地帯での栽培に適している。それにアスパラガスはガン細胞を抑え、ガンを治療する作用があるといわれているので、国際市場における価格も高く、潜在的経済価値のあることがはっきりと分かっている。1997年に江西農学院バイオテクノロジー・センターの陳光宇博士は率先してアスパラガスの栽培技術を研究し、それを応用した。そして彼は南昌県と富山県の贛江の古い河床で150ムーのアスパラガスをテスト栽培したが、現在では一面緑に覆われ、1ムーあたりの収穫高は1000㌔に達している。それと同時にその付近の生態環境も目に見えて改善され、農民の間で良好なモデルとしての役割を果たしている。
陳博士は今後の栽培面積を2000ムー以上に拡大することを考えている。陳博士たちのテスト基地はEUの砂漠対策専門家グループに認知され、EUの砂漠対策グループは即時に同基地の設備補強のために資金の投入を決定した。
「チャイナネット」2001/04/29