第十次五ヵ年計画期の四大プロジェクト
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北京、水不足問題の解決に力を入れる  

北京は中国で人口の最も密集した地区の一つであるが、水が不足し、年間一人当たりの水資源保有量は全国平均レベルの7分の1、世界平均レベルの25分の1でしかなく、120余カ国の首都のなかで百位以後に置かれている。

北京は水資源がきわめて不足している海河流域にある。近年、人口の急増と経済の急速な発展による用水量は資源と生態系の受容能力をはるかに超えている。そのほか、工業廃水と生活汚水の大量の排出による環境汚染問題および北部地区の連年の干害は、北京の水危機をいっそう深刻にしている。現在、北京の都市飲用水源は主に地下水と密雲ダムに頼っている。河北省張家口にある官庁ダムはかつて北京の重要な地表水源で、毎年北京に10億立方メートルの水を供給していたが、上流の汚染がひどいため、1998年から北京の飲用水源とすることができなくなかった。地表水と水供給量の減少によって、北京の水供給は地下水の超過採取に頼って維持するしかなく、北京の水資源問題の解決は一刻も猶予もゆるさない。

そのため、中国は巨額の資金を投入し、北京と周辺地区に節水、汚水処理、水土保持などプロジェクトを実施することを計画し、向かう4、5年内にこれらの地区のひどい水不足を緩和することにしている。

岳福洪北京市副市長は、水資源問題は水量と水質の二つの面を含んでおりであり、北京市水資源の合理的利用の全体的構想は、現在は節水に頼り、中期は官庁ダムの改善に頼り、未来は「南水北調」プロジェクトに頼るようにすることであるとしている。

水利部、国家計画委員会、財政部、建設部、国家環境総局、国家林業局などの部門は北京市、河北省、山西省と共同で「21世紀初期首都水資源の持続可能な利用協調グループ」を設け、国務院は『21世紀初期(2001―2005年)首都水資源の持続可能な利用計画』の実施をすでに認可し、大水生態系から出発して、人口、資源、環境を協調させるという原則を重視し、水資源の開発、節水、保護をともに重視し、水の供給と発展をともに重視し、節水を主とし、水資源の開発、節水と産業構造の調整を結び付け、生活、生産、生態の用水をよく協調させ、統一的に管理し、区域内の有限の水資源を合理的に利用するようにする。北京市は170億元を投入して、工業、農業の節水、汚染処理、用水回収、河、湖水系環境の総合整備、水資源保全と水土保持などプロジェクトを展開し、中央財政は北京の上流にある河北省と山西省の節水・汚染処理、水土保持、エコ農業の建設などを支持する。

張基尭水利部部長は、水利部、北京市および周辺地区は流域水資源を統一的供給し、各総合措置を通じて、2010年までに北京と周辺地区の水資源需給の基本的バランスを実現し、さらに他の流域から北京に水を引き入れ、北京市と周辺地区の経済、社会の持続可能な発展を確保すると語った。

北京、節水都市をめざす

節水は今後北京の水資源利用のカギとなる問題であり、北京の目標は節水型都市を建設し、2005年の節水レベルを水不足の中進国のレベルにもっていき、地下水の開発を厳しくコントロールし、地下熱水を保護的に開発し、汚水の処理と回収利用の度合いを大きくし、産業構造と製品構成の調整、水資源開発、節水と水資源保全を通じて、水量の需給のバランスと水資源の水質が国の規定した基準に基本的に達するようにする。

昨年から、北京は節水の面で主に四つの仕事をした。一は工業用水に対し136件の節水技術改造を行い、一定の成果をあげた。二は密雲ダムの農業への水供給を停止した。三は飲用水の水路を改造した。四は水の価格を適当に引き上げ、都市の生活用水をコントロールし、2005年までに、北京の水価格を現在の1立方メートル2元から6元に引き上げる。以上の4つ面の仕事によって、昨年の節水量は1億8700万立方メートルに達した。

岳福洪副市長は、北京市は引き続き自身の潜在力を掘りおこし、地表水、地下水を統一的に供給し、水資源を保護し、水資源を統一的管理する総合政策を実施し、2005年には、現在の節水を基礎として、7億9000万立方メートル節水し、再生水を6億4500万立方メートル開発し、雨と洪水の開発は1億5000万立方メートルを増加すると語った。

今後3年内に北京の汚水処理率は90%に達し、北京の水質と水環境はかなり大きく改善される。

北京市民は5年後に官庁ダムの水を飲むことができる

北京の地表水の66%は官庁と密雲の二つの大ダムから供給されており、今後5年内に、中国政府は河北、北京、山西に69億元を投入し、官庁ダムの飲用水機能を回復させることにしている。

具体的には、官庁ダムの上流地区で4つの措置がとられる。

一、官庁ダムの上流地区に節水潅漑農業を発展させ、河北と山西など地区で節水措置をとり、2万2400立方メートルの節水目標を達成するため、節水潅漑面積を13万7000ヘクタールに広げる。

二、汚染を処理を行い、官庁ダム上流にいくつの汚水処理工場を建設し、数十の製紙、皮革などの汚染企業を整頓するか、閉鎖し、山西省は汚水処理工場15カ所を建設し、汚染企業37社の改善をはかることにしている。

三、水土流失防止を強化し、官庁ダムの上流で耕地を樹木や草の栽培地に戻す措置をとって、都市と農村の環境の総合整備を強化する。

四、ダム区で水資源保全に適した経済を発展させ、良性循環を形成し、エコ農業建設と農業構造調整を強化し、水資源保全生態経済区を設置し、生態環境基地とグリーン食品基地を建設し、観光業を積極的に発展させる。

張基尭氏によると、この四つの措置を強化すると同時に、関係部門は「密雲ダムを安定させ、官庁ダムを救い、水量、水質をともに重視し、統一的に分配し、供給を保障する」の原則に基づいて、北京市と周辺地区の水資源を統一的に管理する。その目標は2005年までに、官庁ダムの水質がⅢ級の基準に達するよう保証し、できればⅡ級に達するようめざす。ダムの水量が正常年に3億立方メートルに達し、干害の年に少なくとも0.6億立方メートルに達するようにする。密雲ダムの水質はⅡ級の基準を維持し、ダムの貯水量は正常年に6億立方メートルに達し、干害の年に少なくとも3億立方メートルに達するようにする。

北京水利局によると、北京は永定河の廬溝橋以下の区間内に新たなダムを建設する計画をしている。2010年までに、北京、天津などの都市の用水を解決することを主な目標とした「南水北調」プロジェクトの実施で、北京人はやがて長江の水を飲むことができるようになるが、それまでは、中国政府は北京の水供給を保証するため、多くの措置をとることにしている。

「北京週報」2001年9月7日

 
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