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二十四節気の中の立春の養生篇
2月4日は立春である。立春は一年中の最初の節気であり、「立」は始まり、という意味で、立春は春の序幕を開き、万物がよみがえる春季の始まりを示している。このころは「若さが金色のようで柔らかさが糸のような」シダレヤナギの芽、土壌の中でむずむずして芽を出そうとしている小さな草は、「春風が吹くとまた生き返る」ことを待っており、そして「季節の回りが遅いと氷と霜が少なく、春になると草木がそれを知ることになり」、立春のころの自然の特色を端的に示している。立春の到来に伴い、明らかに昼間が長くなり、太陽も暖かくなり、気温、日照、降雨量も増えることを感じる。人々は旧暦の習わしによって「迎春」を始め、中国の台湾では立春の日を「農民祭」と決めている。これは冬の3カ月の農閑期の後の最後の休日である。中国には立春になると雨量が多くなり、早起きして遅く眠りにつくという農作業に関する諺がある。農作業はここから始まり、この頃になると人々も家の外に出て春のピクニックに出かけ、最も細やかな最も絶妙な春らしさを体で感じ取るのである。

 春季の養生は春の陽気の発生、万物の発生のはじまりという特徴に順応して、陽気の保護に意をくばり、「生」という字に着目するべきである。自然界の属性によって、春は木に属し、肝臓と対応する。(これは五行の学説で、五行の特性によって五臓の生理の特徴を説明し、たとえば肝臓は調整を好み、疎通・排泄の機能があり、木は発生の特性があり、そのため、肝臓は「木」に属する)肝臓の生理的特徴は主に疎通・排泄を行い、怒りをいましめ、うっ積をさけ、調整を好むことを志すことにある。春季における精神面の養生においては、激怒を厳しく戒め、更に憂鬱な気持ちになることを避け、度量を大きくし、楽観的に向上することを目指し、愉快な気持ちの望ましい心理状態を維持することである。春季の大自然の「発陳」(陳を除くこと)を利用し、大切にする時には、陽気の上昇、万物の芽生え、人体の新陳代謝が盛んになる機を借りて、適切な保養を通して、春の陽の気が広められ、新陳代謝の機能が正常に行われるようにする。

 春季は気候の変化が大きく、天気は寒くなったり暖かくなったりし、人体の皮下と筋肉の空隙が柔らかくなり始めるため、厳寒への抵抗力は弱まることもあり、そのため、初春の頃には特に北部地域で生活している人びとは防寒服を脱ぐべきでなく、お年寄りと病弱者の着替えには慎重であるべきで、急に着るものを減らしてはならない。『千金要方』という医書は春は服装が「下は厚く上は薄い」ようにと主張し、『老老恒言』にはまた「春は半分凍り、下半身はむしろ暖かすぎるほうがよく、上半身は着るものを少し減らし、陽の生気を保養する」とある。春になると、日常生活の面で、人体の血気も自然界と同じように、ゆったりとすることを必要とし、これはわれわれが夜ははやく寝て早起きすることを求め、帽子をかぶることをやめ、髪もバラバラでよく、衣服のベルトをゆるめ、体をゆったりさせ、室外での活動に多く参加し、怠惰と睡眠の状態を克服し、自分の精神状態を大自然に適応させ、心身の調和がとれ、精神と体力が満ちるよう努める。

 飲食の養生の面では、春季は陽気が発生したばかりであることを考え、辛、甘の発散するものを食べ、酸、収斂の味のものは食べるべきではない。『素問・蔵気法時論』には、「肝臓は主に春に属し、……肝臓の苦が強く、急いで甘のものを食べてそれをゆるめ、……肝臓の欲が発散したなら、急いで辛のものを食べてそれを発散し、辛でそれを補い、酸は瀉するようにする」とある。五臓とさまざまな味覚の関係の中で、酸味は肝臓に入り、収斂の性を備え、陽気の発生とかんしゃくの疎通・排泄には役立たず、飲食の養生はその臓腑の好みにより、つまり「その性に背くなら苦で、その性に従うなら欲である。欲は肝臓の神の好みで、つまり補給である。苦は肝臓の神が嫌うものであり、つまり下痢をするようになる」と書いている。このような関係を明確にすれば、肝臓を柔らかくし、肝臓を保護して養い、肝臓の力を疎通させ、気を調整する薬草と食品を目的として選ぶことができ、漢方薬草、例えばクコ、郁金、丹参、元胡など、食品は辛、温和、発散の効があるナツメ、浜納豆、ネギ、中国パセリ、落花生などを選んで弾力的に調合する。

 春季の養生のもう一つの面は、病気を防ぎ保健に努めることである。特に初春においては、寒い天気から暖かい天気に変わり、さまざまの病気のもととなる細菌、ウイルスはそれに伴って生長、繁殖する。急性伝染病、ウイルスなどが影響を及ぼしはじめ、医学で言われるインフルエンザ、流行性脳膜炎、はしか、猩紅熱、肺炎の流行と発生ケースも増える。春季の病気の発生を免れるため、予防措置の中で、①感染源を消滅させるべきである。②よく窓を開け、室内の空気を入れ換え、空気の清新さを保つべきである。③体を鍛えることを強化し、体の予防能力を高めるべきである。そのほか、口、鼻の保健に気をつけ、急性伝染病、ウイルスが肺を侵す道を遮断することである。

 立春の飲食の薬膳は「強壮」を主とするべきで、次のものを選ぶことができる。

首烏とレバーの薄切り

 [材料] 首烏の汁20ミリリットル、新鮮な豚レバー250グラム、水で煮てもどしたキクラゲ25グラム、野菜の葉を少量、紹興酒、酢、塩、でんぷん(カタクリ粉)、新鮮なスープ、しょう油、ネギ、ショウガ、ニンニク、食用油を適量。

 [作り方] 首烏を水で煮させて濃縮させ、20ミリリットルの液体を取って必要に備え、豚レバーは筋を取ってきれいに洗って薄切りにし、ネギ、ショウガ、ニンニクをきれいに洗い、ネギ、ショウガを千切りにし、ニンニクを薄切りにし、野菜をきれいに洗って干しておく。

 豚レバーの薄切りを首烏の汁の中に入れて(首烏の汁の半分を取る)浸して、少量の塩を加え、適量のでんぷんを入れてよく混ぜて、別に残りの首烏の汁、しょう油、紹興酒、酢、でんぷん、新鮮なスープを栄養汁にする。

 ナベを強火の上に置いて油を入れ、油が熱くなるとよく混ぜた豚レバーの薄切りを入れてよく炒め、穴じゃくしを使って残った油をかけて取り出し、ナベの中に少量の油が残るようにし、ニンニクの薄切り、ショウガ粉を入れて香りが出ると豚レバーの薄切り、水で煮てもどしたキクラゲを入れて、数分間炒め、野菜の葉をナベに入れて数回ひっくり返して炒め、熟したと思われる時に栄養汁を入れてよく炒め、ナベから取り出す前にネギの千切りをナベに入れて、ひっくり返して炒めてもよく、ナベから取り出して出来上がりというわけである。

 [効能]肝臓、腎臓を丈夫にし、精気、血のめぐりをよくし、髪を黒くし、目にも保養の効がある。(首烏は肝臓の保養もできれば、脂肪、血圧を下げることもできる。キクラゲは血のめぐりをよくする効能があり、病気でなければふだん食べて体を丈夫にすることもできる)。

エビのむき身とニラ

 [材料] エビのむき身30グラム、ニラ250グラム、タマゴ1個、塩、しょう油、でんぷん(カタクリ粉)、植物油、ゴマ油をそれぞれ適量。

 [作り方]エビのむき身をきれいに洗って水で煮てもどし、約20分後に水分をかけて干して必要に備える。ニラをきれいに洗い、3センチの長さに切って必要に備える。

 タマゴを割って碗の中に入れて、よく混ぜてでんぷん、ゴマ油を入れてのり状にし、エビのむき身を入れてよく混ぜて必要に備える。

 ナベが熱くなってから植物油を入れて、油が熱くなってからエビのむき身を入れて炒め、のり状のタマゴがエビのむき身を固めてからニラを入れて炒め、ニラがよく炒められてから、塩を入れ、ゴマ油をまぶし、よく混ぜてナベから取り出す。

 [効能]腎臓の陽を補給し、腎臓を丈夫にし、乳がよく出るようにする。(ニラは多くの粗い繊維を含み、腸壁を刺激し、ぜん動を強め、そのため、この料理は習慣性の便秘を患うものの食事とすることができる)。

真珠三鮮スープ

 [材料] ニワトリのささみ(ニワトリの胸の肉)の50グラム、エンドウ50グラム、トマト1個、タマゴ1個分の白み、牛乳25グラム、でんぷん25グラム、みりん、塩、味の素、薄味のスープ、ゴマ油を適量。

 [作り方]ニワトリの肉は筋を取ってきれいに洗って細くすりつぶしたものを切る。5グラムのでんぷんは牛乳でよく混ぜる。タマゴを割って黄みをとって白みを残しておく。この3つのものを1つの碗に入れて、ニワトリの身をすりつぶしたものを混ぜて必要に備える。

 トマトをきれいに洗ってお湯であたためて皮をむき、さいの目に切る。エンドウをきれいに洗って必要に備える。

 ナベを強火の上に置いて薄味のスープを入れ、塩、みりんを入れてから、エンドウ、さいの目に切ったトマトを入れて、再び沸かしてからとろ火に変え、すりつぶしたとり肉をハシあるいは小さじで真珠大の円形の小さな団子を動かして、ナベの中に入れて、更に火を強くして煮沸させ、水でといたでんぷんを入れて、沸いてから味の素、ゴマ油をナベに入れてすぐ出来上がりとなる。

 [効能]体の中を温めて気分をよくし、精を補って髄を埋め、熱を下げてイライラを鎮めることができる。

食あたりになりやすいもの

 豚レバーは大豆、豆腐とともに食べる(ともに食べると病気になりしやすい)ことはひかえ下さい。魚の身とともに食べる(ともに食べると精神を消耗させることになる)こともひかえること。

「チャイナネット」2002年2月9日

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