新疆ウイグル自治区タリム盆地にあるタクラマカン砂漠とクムタグ砂漠が急速に隣接するようになり、二大砂漠の間を通り抜ける国道218号の197カ所が流砂に埋められてしまった。
新疆南部地区の生態環境が局部的に改善されたが、全般的な悪化の情況、砂漠化拡大の趨勢は依然としてゆゆしいものである。タクラマカン砂漠の外縁にあるバインゴリン(巴音郭楞)蒙古族自治州は新疆における砂漠化が最もゆゆしい地域の一つで、州全体の面積は48万2700平方キロ、そのうちの砂漠と砂漠化しつつある土地の面積は45%を占めている。
陳新有バインゴリン蒙古族自治州副州長によると、タクラマカン砂漠とクムタグ砂漠の外縁の約2000キロのところでは、流動状態の砂丘が毎年5〜10メートルのスピードで前へと進み、風と砂の害を最もひどく受けている且末県と若羌県では一部の農民・牧畜民の生存環境さえ脅かされている。
生態学専門家の調査によると、タリム盆地の二大砂漠がつながるようになるという趨勢が現れたのは、二大砂漠の間の植生が破壊されたことと関連がある。この一帯の植生は主にコヨウ樹林である。統計データによると、1959年から1983年までの間に、コヨウ樹林を灌漑するタリム川の水量が年々減り、下流の320キロの河床はすっかり水枯れとなっている。タリム川流域の土地砂漠化面積は66%から82%に上昇した。
新疆の二大砂漠が完全につながってしまうことを防ぐため、中央政府は107億元を投下してタリム川の生態系を整備し、下流の十分な水量を確保し、残っているコヨウ樹林を応急保護し、新しい防砂林帯をつくり、二大砂漠の間に緑の隔離地帯を形成することを目指している。
「チャイナネット」2002年6月26日