中国の砂漠区域は地域的にも広く、気候の環境、植生のパターン、人類の活動、危害の度合の違いがかなり大きい。これらの特徴の違いに基づいて、中国の砂漠区域を5つの類型区に分け、異なった対策を取って管理を行うことになった。
一、乾燥した砂漠周辺・オアシス類型区は賀蘭山以西、祁連山と阿爾金(アルキン)山以北に位置し、新疆ウイグル自治区の大部分、内蒙古自治区の西部と甘粛省の河西回廊などの地区の113の県(市)を含むものであり、中国の砂漠、ゴビ、風食によってできた不完全な丘陵の主な分布区域でもあり、砂漠化した土地の総面積は109余万平方キロに達し、そのうち管理できるものは24万平方キロである。主な対策は閉鎖保護区を定め、コヨウ(ポプラ)、梭梭(アカザ科低木の一種)とギョリュウなど天然砂漠植生への保護を強化し、オアシスの周りに総合防護システムを設立し、オアシスが砂漠に飲み込まれてしまうことを阻止する。
二、半乾燥砂地類型区は賀蘭山以東、長城沿い以北、東北平原の西部地区に位置し、北京、天津、内蒙古自治区などの10の省、自治区、直轄市の161の県(旗)を含むものであり、砂漠化した土地の総面積は25万平方キロ余りで、そのうち管理できるものは17万9000平方キロである。対策は耕地をもとの樹林や草地に戻し、山での樹木の伐採を禁じ、植林の措置をとり、喬木、潅木、芝生を結びつけた防風・防砂森林地帯を確立する。放牧・開墾を禁じ、草にもとづいて放牧の仕方を決め、生態系確保のための住民の移住などの総合的措置を積極的に推進し、草原の植生を保護、回復する。
三、高原厳寒砂漠化土地類型区は青海・チベット高原の厳寒地帯に位置し、砂漠化した土地の総面積は34万9000平方キロに達し、そのうち管理できるものは6万8700平方キロである。主な対策は天然の植生の保護と閉鎖に力を入れ、渓谷地帯の防風・防砂林システムを建設する。
四、黄河・淮河・海河平原の半湿潤・半砂地類型区は太行山以東、燕山以南、淮河以北の黄河・淮河・海河平原地区を含むものであり、213県(市)に及ぶもので、砂漠化した土地の総面積は3万1600平方キロに達し、すべて管理することができる。主な対策は農地の樹林網の構築に力を入れ、「緑の通路」の建設を加速し、耕作の方式を改善し、風と砂塵の源である地域で秋の作物の切り株を残し、春季は耕作をしない、という技術を広め、水資源を合理的に開発、利用し、小さい河川流域の総合的管理への取り組みに力を入れる。
五、南部の湿潤型砂地類型区では、砂漠化した土地の総面積は1万8600平方キロに達し、いずれも開発可能な管理を行うことができる。
「チャイナネット」2002/07/22