雲南省の東側にあるシーサンパンナは古代ダイ族の言葉で「もう巴拉那西」といい、「理想的な、神秘に満ちたパラダイス」という意味である。この地は熱帯雨林の自然の景観と少数民族の風情で世界に知られ、中国の観光地として有名である。
シーサンパンナは中国唯一の熱帯雨林自然保護区で、気候が温暖で潤い、森林が生い茂っている。数多くの珍しい動物はこの熱帯雨林に生息している。
ダイ族の人たちは世世代代この地で暮らしてきた。タイ、ミャンマーなどの仏教国家に隣接しているので、仏教を信じる人が多く、いたるとこるで東南アジア風の仏教のお寺、仏塔が目につく。ダイ族の人たちはほとんどが仏教徒である。
熱帯雨林
シーサンパンナは中国唯一の熱帯雨林自然保護区で森林の木々が雲間に届くように高くそびえ立っており、延々何百㌔も伸びている。
シーサンパンナの原生林の中に足を踏み入れると、快晴の日でも何も見えず、落葉を踏みつけて歩いている自分の足音しか聞こえない。
荒原地帯の針葉樹林や高低の差のある喬木林と違って熱帯雨林はさまざまな層、樹木の群生からなり、天地を覆うように茂っている。上の層は天まで届くようなかなりの樹齢の木で、下の層は花、草に色取られ、真中は喬木である。曲がりくねった、入れ乱れるような木の節が互いに纏わりつくようになっており、日射しが射し込む余地がない。
シーサンパンナの原生林は生物の宝庫である。生物の種類は全国の4分の1以上を占め、珍しい動植物があっちこっちで目につく。
普通のところで何人もの人が腕を伸ばしても囲むことのできない大木を目にすれば、驚くかもしれないが、シーサンパンナではこれは珍しいもののうちには入らない。高層ビルよりも高い大木もかなりある。ゾウ、野生のウシ、大きなトカゲ、テナガザルなどの動物が原生林に生息している。
シーサンパンナの仏教
シーサンパンナは中国中央部の文化の影響をあまり受けなかったが、タイ、ミャンマーなど東南アジア諸国の影響をかなり受けている。小乗仏教もシーサンパンナに伝えられ、この地の人たちはみんな俗家の仏教弟子(成年までの男子は必ず出家し、成年してから還俗する)である。仏塔、お寺はダイ族の人たちの民家の竹楼、青竹とコントラストして、神聖な雰囲気を醸し出している。
お寺の建築様式を見ると、これは東南アジアのものとダイ族の文化を融合させたものであることがわかる。飛竜白塔はシーサンパンナの仏塔のモデルである。円形の尖った頂上部、玉のような白い塔本体、ゴールドオレンジ色の尖った頂上部、バンコックに行ったことのある人たちなら目にしたことがあるように思いません?景真八角亭もシーサンパンナの著名な仏教建築物である。台座が高く、キリ状の屋根があり、ダイ族の人たちの竹楼のように見える。
シーサンパンナの人たちは仏教を信じているが、細かいところにこだわらない。だからお寺には厳しい規則と戒律はない。仏様に対する信心は大自然との調和に具現され、どんな時でも、どこでも仏様がいることになっている。
主な観光スポット
1、
一本の大木が林を成す観光スポット
シーサンパンナの熱帯雨林、熱帯モーンスーン樹林では、一本の大木が林を成しているのをよく見かける。大きなガジュマルは主幹以外に、枝からも根がたくさん出て、根を土の中に張っている。これらの根がまた木になり、木から木を生じることになり、根と根がつながるという壮観なありさまを呈している。ダーロ鎮政府所在地の南3.5㌔の辺境に近くところにある、31本の根のある大きなガジュマルは、カバーする面積が120平方㍍に達し、まがきのようであるし、緑の障壁のようでもある。
交通:景洪からもう海県までの長距離バスがたくさんある。景洪からダーロまでは約140㌔で、4時間の道のりである。片道料金は40元。ダーロに着くと、マイクロバスに乗り換え、約3㌔行くと到着する。
入場料:3元
2、
飛竜白塔観光スポット
曼飛竜仏塔は笋塔、白塔とも呼ばれている。景洪市大もう竜郷曼飛竜部落の裏山の上にある。景洪から70㌔離れたところにある。笋塔は春のタケノコのように土の中から一斉に姿をあらわすから、そう呼ばれているのである。またこの塔は真っ白なので、白塔とも呼ばれている。
飛竜白塔は景洪市大もう竜郷曼飛竜部落の裏山の上にあり、大小さまざまな塔9つからなる。白い塔本体、ゴールドオレンジ色の頂上部、まるでタケノコが土を破って出できたような姿であるため、笋塔と名づけられている。レンガ作りの構造でタイ暦56年(紀元1204年)の築造で、小乗仏教の建築物である。主塔が真中に聳え、地面からの高さは16.29㍍、塔の直径は8.6㍍で、8つの小塔が八方にあり、地面からの高さは9.1㍍で、台座の下に仏壇があり、中に仏像を祭っている。仏壇の南の岩に人間の裸の足跡があり、お釈迦様の足跡だと言われたため、この塔が建てられたのである。塔にはさまざまな彫刻、レリーフ、彩色絵があるが、形が美しく、周りと調和している。
白塔の南3.5㌔のところに金塔(黒塔、布朗塔とも称される)があり、大もう竜鎮から500㍍歩くと着く。
景洪から大もう竜まで毎日8:00-17:00に30分ごとに中型バスが発車している。切符は10元。
入場料:曼飛竜仏塔は5元、黒塔は入場無料。
3、
ダイ族の部落――橄欖壩観光スポット
景洪の北西にある。主な観光スポットは曼松満、曼聴などである。ダイ族の竹楼と水上の景観の融合した熱帯の景色と民族の特色豊かな観光スポットである。熱帯果物と観光記念品がたくさんある。
曼松満は花園寨(集落)の意味で、村にはヤシの木、ビンロウジュ、マンゴー、パイナップル、ガクアジサイなどがいっぱいある。宮廷花園寨の曼聴は竹楼間の間隔がかなりあり、庭園が広くて、熱帯果物と草花が植えられている。竹楼のテラスに垂れるように実のなった果物もある。観光客は曼聴で自由に庭園に入り、竹楼に登ることができる。地元の人たちが新茶を入れてもてなしてくれる。
交通:景洪民族北路からは毎日7:30-21:00まで、20分ごとに橄欖壩までのマイクロバスがある。切符は6元。瀾滄江からもう 阜まで船をチャーターして遊覧することができる。
4、
野象谷観光スポット
シーサンパンナの野生の象は主にもう養自然保護区に生息している。もう養自然保護区の東、西の結合部のパンナ野象谷は東西両区に生息する野生象の唯一の通り道である。動物保護部門のなが年ゾウの大好物の塩をまいてきたため、野生象がよく現れるところとなっている。現在、野象谷の主な観光スポットには遊歩道、高架回廊、大木旅館、森林バーが設けられ、国内で初めてのゾウを飼いならす学校も設立されている。
もう養自然保護区熱帯雨林に現存するアジア象は300頭近くに達する。飼いならされることになっている象が16頭(芸を披露する象も含む)もいる。毎日午前11:00-12:00、午後2:00-3:00に無料でゾウのパフォーマンスを見物することができる。象と記念写真を取る場合は一回10元である。
入場料:25:00元
ヒント:野象谷の南は景洪市から45㌔、北は思茅市から115㌔離れている。国道213号線の西側にある。野象谷公園の正門は道路から30㍍しか離れていない。1998年5月国内最初の熱帯雨林観光リフトが設置され、総延長は2063㍍で、片道35分かかる。切符は片道30元。
交通:景洪から思茅行きのバスが出ている。切符は10元。思茅から景洪行き、もう腊行きのバスも出ている。切符は15〜20元。
宿泊:客室はツインルームが160元。電気設備、シャワー付きの部屋が80室ある。大木旅館は一室180元、トイレ付きで、簡易旅館である。旅館は木の上に作られ、高架回廊でつながっている。この旅館は野生象の動きを観察し、大自然に融け込むことのできる理想的な場所である。この旅館にお泊まりの方は懐中電灯をご用意ください。
5、
曼典滝観光スポット
曼典滝は景洪南西27㌔のところにある。森林を通り抜けて、河にかかった小さな橋を渡ると、目の前に曼典滝が現れる。10余段からなる滝は落差が20㍍もあり、流れ落ちる水の音は千を超える怒り狂った野獣が吼える声のようである。この一帯は熱帯渓谷雨林に属するのでさまざまな熱帯植物が重なるように茂っている。高くそびえる喬木、低い潅木、こけ類などさまざまな植物が互いに寄り添うようになって熱帯植物群落を形成している。阿瑪山原生林には動物もたくさんおり、トラツグミの鳴き声が耳を楽しませてくれ、森林には生気が満ちあふれているようである。
この地の植物はさまざまな形を呈し、天地を覆うように茂っている。その中を歩くと一帯の景色に魅了される。
ヒント:旅客用バスがないため、農業用車に乗るか、車をチャーターする。5-10月の雨季は滝を観賞する恰好の季節である。
入場料:5元
6、
孔雀湖
孔雀湖は 景洪の中心にある。三方を湖に囲まれ、透き通った水は鏡のようである。孔雀、うわばみ、キツネ、いのしし、九官鳥、トラツグミなど珍しい動物、鳥類が生息している。岸の上にはさまざまな草花がきれいに咲き乱れ、湖中に伸びるようにダイ式の家屋が建てられている。観光客が涼をとり、くつろぐための恰好の場所である。遊覧船が用意されているので、観光客のみなさんは孔雀湖を自由に遊覧することができる。
交通:
陸上ルート:昆明からシーサンパンナの首府景洪市までは692㌔で、昆明駅のそばの昆明長距離バスターミナルから毎日20余本のリクライニング・シート付バスが出ている。15〜24時間かかる。切符は約110〜150元。
空のルート:昆明〜シーサンパンナ間の距離は520㌔で、45分間のフライトである。航空券は片道450元。毎日6〜10便ある。
水上ルート:景洪港は水運港で、ラオスのビエンチャンまでの水運ルートがある。瀾滄江〜メコン川間の貨物,旅客輸送のテスト運営も順調にすすめられている。
宿泊:
お勧めの宿泊施設:シーサンパンナ金風賓館、シーサンパンナ外貿茶苑賓館、シーサンパンナ州パンナ賓館、、シーサンパンナ州パンナ大廈、景洪賓館、シーサンパンナ大タイ郷大酒店、シーサンパンナタイ園飯店、シーサンパンナ交通飯店。
サラリーマンの方々には招待所での宿泊をお勧めしたい
ショッピング:
ダイ族彩色絵木彫り(100元以下)、ダイ族のにしき織(60元ぐらい)、竹編み工芸品、熱帯果物の砂糖漬け、お茶(プーアル茶)
軽食:
魚の揚げ物、ジャガイモの揚げ物、パイナップルご飯
イベント:
水かけ祭り:タイ暦の毎年6月(西暦の4月中旬ごろ)
「チャイナネット」2001年2月23日