「青藏(青海省・チベット自治区)鉄道を世界一流の高原鉄道にする上でカギとなるのは、凍土区間工事での技術的難関を突破することだ。科学研究や実験を先行させ、多方面の力を結集して共同で難関を克服していかねばならない」。鉄道部の孫永福副部長はこのほど開かれた「2003年青藏鉄道建設工作会議」でこう強調した。 青藏鉄道のゴラ(格拉)区間は全長1142キロ。海抜4000メートル以上の区間は960キロで、多年凍土地帯は550キロにおよぶ。海抜世界最高の地点を走る鉄道で、なかでも凍土地帯での工事は「世界3大技術難題」の1つ。建設は年内に青海省、チベット自治区で全面的に始まるが、工事は海抜5000メートルを超す区間に達すると、より複雑な凍土地層に直面する。 孫副部長は「建設に当たっての重点は、ゴール前に立ちはだかる難関工事だ。その重点は凍土地帯での工事であり、そのカギは工事の質にある。凍土の問題は非常に煩雑だが、実験や研究ですでに上げた成果をさらに長い時間をかけて検証した上で、凍土のもつ特性の研究を絶えず深めていくことが肝要だ」と指摘した。 凍土は特殊で、低温でも変形しやすく、あらゆる工事で氷膨張や融解堆積といった問題が生じる。その特殊性と複雑性で世界唯一無二の地層だ。中国が凍土の研究に着手したのは、1960年代。これまでに凍土地帯にある昆侖山トンネルや風火山トンネル、清水河など5カ所での試験工事は順調に進み、その他の課題も解決されるなど、研究の成果は徐々に上がりつつある。 青藏鉄道の凍土区間建設について、孫副部長は(1)構造的に複雑な地帯ではできるだけ路線を迂回させる(2)気温の上昇に不安的で氷質多量な地帯は鉄橋にする(3)通風や保温層の敷設など新技術や新素材などを採用して路盤の強固性を高めるとともに、工事の安全を確保する――などの対応策を講じていく方針を示した。 「チャイナネット」2003/04/15 |