北京の西郊外に、中国の宇宙飛行士のトレーニング基地があり、世界で3番目の大規模な宇宙飛行タウンでもある。
目まいに挑戦する
宇宙飛行タウンには最も速くて1分間24周も回転する回転椅子がある。四方が密封されており、歯科治療の椅子のような回転椅子は180度の時計の針の回転方向とそれと逆の快速運行ができるだけでなく、同時に上下前後に揺れ動くこともできる。回転椅子は主に宇宙飛行候補者の脳前庭の神経機能を検査するために用い、それによって震動と目まいに対するその耐容能力を測定する。
回転椅子はスタート後加速し始め、最も速い時には大体2.5秒ごとに一回転し、その時の目まいの感じは一般の人には耐えられないものである。
電動ぶらんこ室は主に空間運動に適応し、空間運動の病気の研究を展開するために用いられる。電動ぶらんこが揺すぶり始める時、前後15メートルの幅の動きができる。空間運動の際に現われる症状は車酔い、船酔いの症状と非常に似ており、宇宙船が軌道に乗ると発生することになり、2日間から4日間まで続いてから症状は自然に消えていく。この症状は有人宇宙飛行事業にとっての大きな難問である。
数秒間で4階建ての建物の高さの衝撃措置の上部から垂直に落ちて宇宙船が地球に帰還する時の衝撃環境を模擬した衝撃措置室には、4階建ての建物からなる高い緑色の鉄塔があり、その目的は人の衝撃に対する耐容力を強化し、さまざまな方式の防護対策を検討することにある。
フリスビーのような人体遠心分離機は主に宇宙飛行士の体重増大に対する耐久力と体重増大の条件の下で宇宙船操縦と通信の能力をトレーニングすることに用いられる。トレーニングの際に、宇宙飛行士は固定した椅子の上に座り、遠心分離機がひっきりなしに自転と公転を続ける。
「寂しさ」に耐える
空気を抽出する低圧モジュールのトレーニングセンターはまた宇宙生活に適応する模擬モジュールをも用意しており、作業モジュール、休憩モジュール、衛生モジュールの3部分が含まれている。
3つのモジュールにはいずれも撮影装置があり、人のさまざまな動作、トイレを使用することも含めて記録される。宇宙飛行士が特製の宇宙服を着て低圧モジュールに入ってから、モジュール内の空気が抽出され、宇宙飛行士はここで「宇宙」に入り、数日か2、3カ月続く試験の中で、宇宙飛行士は孤独と寂しさの苦しみに耐えることになる。モジュールの中はテレビもなければ、音楽を聴くこともできず、揺れ動く幅のより大きな運動さえできない。
星を見ることによって方向を見分ける
星を見ることによって方向を見分けるのが命を守る奥の手であり、プラネタリウム室はトレーニングの中での最後の検問所であり、照明が消されると、きわめてきらびやかで美しい宇宙世界──太陽系のきらきらとした光り、銀河系の広さがはっきりと目の前に現れる。ぼんやりとしている中で、「宇宙船」は地球を回って飛行し始め、宇宙飛行士はこれでそのこれから先の進路を識別し、宇宙船が軌道に乗るよう案内するすべての道路標識──ひとつひとつの見た目は同じようであるが、千差万別の小さな星をはっきりと覚えておくべきである。進路を見分けることは宇宙船が航行途中で自動システムに故障が起きることを防止するためであり、もし故障が起きたならば宇宙飛行士はどうしても手動装置を使わなければならず、その時になると自らに頼って再び地球に帰還するわけである。
「チャイナネット」2003年10月10日