「『神舟5号』の乗組員は宇宙でも中華料理が食べられます」
中国有人宇宙飛行プロジェクトの宿双寧・宇宙飛行士総指揮兼総設計士が、中国宇宙飛行士の「宇宙食」についてこのように説明した。
中国流宇宙食として、八宝飯(中にあんが入ったもち米のデザート)、魚香肉絲(豚肉の辛味炒め)、宮保鶏丁(鶏肉とナッツの唐辛子炒め)など中華料理のほか、漢方薬と滋養成分を配合した食後のドリンクが用意されたという。
宿総指揮は宇宙食の要件として、次の2点を説明した。
(1)船内のスペースを節約し、発射時の重量負荷を軽減するため、可能な限り重量・体積が小さく、栄養価が高く、ゴミが出ないものを選ぶ必要がある。
(2)無重力状態で発生する宇宙飛行士の生理的変調に対応する必要がある。骨内カルシウム消耗、筋肉萎縮、赤血球減少など、人体の代謝や生理機能の変化に対応するため、宇宙食にはタンパク質、脂肪、各種ミネラルなどを適度に調整する。
宿総指揮によると、今回の宇宙飛行は飛行時間が短く、飛行士の生理的変調による成分調整の必要性は高くないものの、宇宙食の内容は長時間の飛行を基準に決定された。
宿総指揮はまた「宇宙食のメニューは豊富で、20種類以上から選択できる。味についても、地上で試食した人に好評だった」と紹介。オブラートに包まれた一口大の肉、魚、スナック等なので、一口ずつ口に入れられ、便利で清潔。ゴミも出ないので、食べ物のカスが宇宙船内を漂うようなことはないという。
「人民網日本語版」2003年10月16日