中国農業大学動物医学院の楊漢春教授は2日、記者のインタビューに応え、「鳥インフルエンザの起原を中国とする見方には根拠がない」と表明した。
楊教授は、「鳥インフルエンザは世界的な疾病となり、多くの国や地域で発生している。1990年代以前、世界では高病原性鳥インフルエンザの爆発的な流行が8度起こっている。主に冬から春にかけて発生するが、過去の例に規則性は見られない」と説明した。
さらに、「渡り鳥の移動と家きん類を原料とする食品の流通は、いずれも鳥インフルエンザ流行のルートになりうる」と指摘。このほど出された「鳥インフルエンザは中国から広がった」との見方については、「根拠はない」と述べた。
楊教授の説明によると、1997年には、香港で高病原鳥インフルエンザウイルスに感染した18人が入院し、うち6人が死亡した。死亡者からは鳥インフルエンザウイルスが検出されている。昨年4月にはオランダで、種類の異なる『H7N7』型の鳥インフルエンザが見つかり、感染したニワトリがすべて屠殺処分となった。これらの事件について、楊教授は「鳥インフルエンザはヒトに感染する恐れがあり、ヒトとの関係が深くなりつつある」と指摘した。
楊教授はこのほか、「現在の状況から見て、鳥インフルエンザは、中国の観光業へは影響しない。外国からの中国旅行は依然として安全だ」との見方を示した。
「人民網日本語版」2004年2月3日