衛生部の王隴徳副部長は国務院新聞弁公室が5日開いた記者会見で、鳥インフルエンザの人への感染防止と抑制について語った。
まず王副部長は「ここで責任をもってお知らせするが、中国では鳥インフルエンザに感染した人はいない」と強調した。
さらに王副部長は「家禽の間で疫病が発生したのち、人の間で疫病が発生するかどうかは多くの要素によって決定される。例えば、日本や韓国では家禽の間で疫病が発生していながら、人の間では疫病は発生していない。人の間で疫病が発生しているのではないか、また実際にそうした状況になっているのではないか、は先ず、その国の監視システムに依らなければならない」と指摘。
その上で王副部長は「昨年にSARS(新型肺炎・重症急性呼吸器症候群)が発生して以降、衛生機関は人の疫病に関する監視報告作業を強化してきた。仮に現在、疑い例があるとしても、下部組織である県クラスの病院も上級機関に通知できるようになっている。内陸部で鳥インフルエンザが発生したのち、衛生機関関係者は即刻、発生地区まで足を運んで疫病に接したすべての人たちを直接診断した。例を挙げれば、広西チワン族自治区隆安県の丁当鎮では毎日、防疫担当者が接触者31人の家を訪ねては体温を2回測定し、体に異常がないか問診した。衛生関係者はこれまでに発生地区で1418人の接触者を検査しているが、インフルエンザと思われる病例は1例も見つかっていない」と述べた。
さらに王副部長は「全国範囲について言えば、衛生部は近年、世界保健機関(WHO)と協力してインフルエンザの監視を強化しており、インフルエンザと思われる患者からすでに2万2000種のサンプルを収集した。これは2002年4月から現在までの状況だが、そのなかから1459株のインフルエンザウイルスを分離した。現在、世界的範囲で生産されているインフルエンザワクチン用のウイルス株のうち、WHOが推薦する80%以上は我々が分離したウイルスである。こうしたことから、中国は全人類のインフルエンザの予防に非常に大きな貢献をしていると言えるだろう。これらウイルス株の絶対多数はA3型であり、その他のタイプは非常に少ない。我々はまだH5N1ウイルスについては1株も分離していない」と説明。
また王副部長は「春節(旧正月)前、衛生部は全国に鳥インフルエンザの人への感染の防止・治療対策に関する通達を出した。実施する段階について簡単に説明すれば、第1は速やかに病例を見つけ出すことである。そして隔離して治療し、さらに一部の緊密に接触した人を追跡訪問し、一部は一般観察でもいいが、非常に緊密な接触のある場合は隔離して観察することが必要であり、これが疫病を抑制する鍵の鍵となる。多くの人が関心を寄せるワクチンについては現在、人が使用するワクチンはH5N1型鳥インフルエンザに対してはどんな予防作用も有していない。WHO駐中国代表事務所が我々に通知したところによると、人が使用する対H5N1型ワクチンが生産できるのは半年後になるという」と述べた。
「チャイナネット」2004/02/06